【承】 鎮魂歌
時刻は24時ちょっと前。
自分の部屋に戻り明かりをつけると、ベットの枕元に誰かいるのに気づいた。
「誰?」
綺麗な顔立ちの少女が座り込んでいた。
・・・て言うか、ここ俺の部屋だし・・・
「
「
「
「それは理解してる」
現代の匂いがしていない古臭い俺に比べて、
古臭いと古風。同じ様な意味でも全く印象が異なるのだ。
「で、
「何の日だろう?誕生日じゃないし」
「さあ答えて」
「えー何も思い当たらない」
「もう忘れたか!お前の命日だろうが!」
「むしろ忘れたいわ!」
「ちょっと待ってろ」
「命日、おめでとう!」
パーンと夜中にクラッカーを鳴らした。
「先輩、夜中夜中!そして命日おめでとうって、おかしいでしょう!」
「それじゃあプレゼントのオルゴールだ。受け取って欲しい」
「命日にプレゼント貰う風習って、異世界でもないと思うけど」
「【ヴェルディのレクイエム】のオルゴールだ」
良い音色ではあるが、
「レクイエム・・・鎮魂歌。あの~俺、もう生まれ変わったので鎮魂されても困るんですけど、今、めっちゃ生きてる最中なので」
「安心してください。成仏もしました」
「はっ!」
「えっ!?
「良かった・・・成仏出来たんだ。
「いやいやいや、見れば解るでしょう。めっちゃ男子高校生じゃん」
「今時、そんな武者顔の高校生いない。それはそうともう1つある」
「もうひとつ?」
「刀ですか?」
「村正だ」
懐かしい響きだ。
確かに名刀村正の妖しい輝きだ。
村正は照明の光を受けキラリと輝いた。
「この刀こそ、
「ひぃぃぃぃぃぃ」
俺は魂の底から震えた。
「喜んでもらえて嬉しいよ、この刀は手に入れるの苦労したんだよ」
喜んでないし。
つづく
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