第58話 「バカモン、恐ろしくないわけがあるか! 命は一つしかないんじゃぞ!」


出典:「シュヴァルツシルトW2」


最後の抵抗も及ばず、サン=ギデオン教団本部が燃え上がる中、「わしはここで焼け死ぬ」と宣言し部下達に退避を命じたバサーゴ司祭に対し、「死ぬのが恐ろしくないのですか」と悲鳴のような問いを発した部下への、彼の返答より。


あまりにもあけすけな物言いですが、その裏には「死ぬのは真っ平だ。それでも法王にまで責任が及び、自分が人生を賭した教団が滅びるような事態はもっと耐え難い。ならば計画を主導してきた自分が全ての責を負って此処で死ぬ方が遥かにましだ!」 そんな彼の葛藤が滲み出ているようで、妙に印象に残っている台詞です。


水面下で始終こちらの足元を崩すべく謀略を張り巡らしてきた、実質的に主人公の父の仇でもある嫌な敵でしたが、この人はこの人で自分の信じる道の為に全力で戦い、最後までその一念を貫き通したなあ、と…

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