4 あーん、の後で
「は、はい、レインさん……あーん……」
ニーナが恥ずかしそうにしながら、スプーンですくった生クリームを差し出してくる。
「……あーん」
多少気恥しかったが、俺はそれを口にした。
うん、美味い。
「よかった。美味しいですよね?」
俺の表情が緩んだのを見たのか、ニーナは嬉しそうな顔をした。
「ああ、名前の通り絶品だな、このパフェ」
「そうなんですよ。メガ盛りパフェが提供される日はランダムで決まるので、こうやって食べられるのは本当に幸運なんですよ」
「そっか。今日ここに来てよかったな」
「レインさんと一緒に食べられてよかったです。私、嬉しいです」
ニーナはニコニコ顔だ。
「ああ、俺も嬉しい。誘ってくれてありがとう、ニーナ、メアリ」
「えへへ」
「どういたしまして」
はにかんだように笑うニーナと、にこっとするメアリ。
と、そのときだった。
突然、ぞくっ、と悪寒が走った。
「なんだ――?」
空を見上げる。
その一点にキラッと何かが光っている――。
と思ったら、こちらに向かって一直線に落ちてきた。
ドー…………ンッ!
光の流星がすぐ近くの道の上に落ちる。
爆風が押し寄せてきた。
俺はニーナとメアリに覆いかぶさり、背中で爆風から守る。
「大丈夫か、二人とも」
どうやら見た感じ、ニーナもメアリも怪我はなさそうだ。
「私は大丈夫です。それよりレインさんが――」
「俺は加護アイテムとこの服があるから平気だ」
周囲を見回す。
今の爆風で、店の中は滅茶苦茶だった。
と、
「見つけたぞ、レイン・ガーランド!」
道に落ちた流星――巨大な光球から声が響いた。
光が薄れ、人型のシルエットが二つ現れた。
いずれもスラリとした体形の青年である。
「伝説級の剣を持つ者……貴様か!」
「光竜王様を再封印しようとしているらしいな!」
二人組が叫んだ。
こいつら、まさか――。
いや、間違いない。
「光竜王の手下か」
「いかにも! 俺は七竜騎ゴーゼス!」
「同じく七竜騎ボルン!」
青年たちが名乗った。
「七竜騎――」
俺は剣を抜いた。
突然の襲来に驚いたけど、すぐに闘志を燃え上がらせる。
「ニーナ、メアリ、逃げるんだ!」
二人に叫んだ。
「こいつは俺が倒す――」
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