7 封印作戦会議
「ありがとう、レインくん。ちょっと危なかったから助かった」
空中を飛んでいたマルチナが、謁見の間に戻ってきた。
「マルチナが無事でよかったよ」
にっこりとうなずく俺。
「すごい……やっぱり、レイン様はすごいです」
リリィが目を輝かせている。
「ふん……まあ、確かにすごいけど。俺だって、いつかは……」
なぜか悔しげなマーガレット。
「おなかすいた」
ミラベルは……なんというか、マイペースだ。
「さすがは伝説級の剣の使い手……竜を一撃で倒すとは」
女王が驚きと感嘆の混じったような顔で俺を称賛した。
大臣たちも「すごい」「さすが」と口々に俺を称えているようだ。
これだけ大勢に賞賛されると、ちょっと照れる。
「宮廷のこれほど深くまで光竜王の手の者が入り込んでいた以上、封印を急いだほうがいいでしょう。これからもいつ襲ってくるか分かりません」
と、女王。
「承知いたしました、陛下。これより封印に向けての詳細を詰めたいと思います」
マルチナが答える。
──というわけで、さっそく作戦会議になった。
俺とマルチナ、リリィ、マーガレット、ミラベルとウラリス王国の騎士団長を交え、大きな会議室のような場所で説明が行われる。
概要は、さっき女王から聞いた通りだ。
で、具体的な行程の話になり――、
「光竜王自体は、王都の地下に封印されているの」
と、マルチナ。
「で、その封印を施している遺跡が三つ。一つはレインくんが『燐光竜帝剣』を手に入れた遺跡だね。で、残り二つはこの国にある」
「一つは――『
リリィが言った。
「あたしが、この剣を手に入れた遺跡――」
「そういうこと。まず、その『光翼の遺跡』に行きましょう。そこの最深部に封印装置があるの。装置の出力を強化することが、今回の作戦の最初の目的よ」
「その出力を強化する、っていう話だったな」
「ええ。王国から魔法技師団を連れていって、彼らに装置を調べてもらう手はずよ。先にあたしたち戦闘要員だけで遺跡から装置までのルート確保を行ってからね」
「じゃあ、まずはダンジョン探索ってわけだ」
シンプルに目的が定まり、俺は気持ちを新たにした。
「……と、その前に」
マルチナが俺を見て、
「ここに来る途中も言ったよね。レインくんの剣を鑑定してもらいましょう」
「鑑定……」
そう、『
そもそも現在の強化ポイントで、この先も剣が耐えられるのかどうか。
それを、調べてもらうのだ。
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