追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?
4 もしかして……武器が弱くなってる!?《追放者SIDE》
4 もしかして……武器が弱くなってる!?《追放者SIDE》
その日『王獣の牙』は大陸最強ギルドの一つ『
「これはこれは『星帝の盾』のギルドマスター殿、ようこそいらっしゃいました」
『王獣の牙』のギルドマスター、バリオスが恭しく一礼する。
こちらも相手もともに大陸最強と呼ばれる五つのギルド――『ビッグ5』のギルドマスターだ。
だから同格といえば同格なのだが、ギルドの歴史は相手の方がずっと長い。
必然、バリオスの方がへりくだるような格好だった。
「突然の来訪をお許しください、バリオス殿」
礼を返す相手のギルドマスター。
バリオスは四十七歳の中年男だが、相手は七十歳前後の老人だった。
その後ろには十代後半くらいの少女が付き従っている。
炎を思わせる赤い鎧の騎士――。
『星帝の盾』のエース冒険者、聖騎士リリィ・フラムベルだ。
「このギルドには腕の良い付与魔術師がいると聞きましたが、お会いできませんかな」
「ああ、彼ならその……」
相手のマスターの申し出に、バリオスは言葉を詰まらせた。
ギルドの武器はすべて強化を終えたし、給料の無駄だから追い出した──というのは、さすがに言いづらかった。
「き、休暇中でして。しばらく遠方の故郷に帰るそうです」
「ではレイン殿はご不在なのですね。それは残念」
聖騎士リリィがため息をついた。
「もし縁があったら、ぜひあたしの剣を強化していただきたい、と思っていたのですが」
「大陸でも五本の指に入ると呼ばれる騎士の君が、さらに強くなるわけだ」
「あたしもまだまだですから。もちろん武器の強さに頼ることなく、己を磨き続けているつもりですが……そのうえで強力な剣を持つことができれば、もう一段階上の世界に行ける……」
彼女は身を乗り出し、バリオスに言った。
「どうでしょう。彼が戻ってきたときに、お知らせいただけませんか? どのような報酬でもお支払いしますので、ぜひあたしの剣を強くしていただきたい」
意思は固いようだった。
これでは『さっきのは嘘だ。実は彼をクビにして……』などと言い出しにくくなってしまった。
「……分かった。レインが戻ったら伝えよう」
まあ、とりあえず口約束だけしておいて、後はうやむやにしてしまおう。
バリオスは軽く考えていた。
――このときは、まだ。
その日の午後。
「た、大変です、マスター!」
ギルド員の一人が走ってくる。
三十過ぎの女剣士である。
「なんだ一体?」
バリオスは眉を寄せる。
「その……ギルド所有の武器や防具が……」
彼女は困惑した顔だ。
「弱くなっているみたいで……」
「……何?」
「討伐クエストでこっちの攻撃がモンスターに全然通用しなくて……危なくなって逃げてきたんですけど」
と、語る女剣士。
「【鑑定】スキルが使える者に確認してもらったら、武器や防具にかけられている強化の数値が全部ゼロになっているって……」
「何? それはお前たちの装備が全部強化解除されている、ということか?」
「というか……ギルドに所属している冒険者の武器や防具が全部解除されているかもしれない、ということです」
女剣士の声が震えている。
「少なくとも確認できる範囲で……数十人の冒険者の装備を調べたところ、すべての強化数値がゼロになっていました」
「ぜ、ぜ、全部だとぉ!」
バリオスが叫んだ。
まさか、と脳裏にレインの顔が浮かぶ。
「まさか、奴がしでかしたことなのか――?」
嫌な予感が沸き上がってきた。
***
『いじめられっ子の俺が【殺人チート】で気に入らない奴らを次々に殺していく話。』
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