第39話 チャンネル解除祭 ※掲示板あり

 カーテンの隙間から朝日が差込む。


 僕はベッドから上半身を起こし、大きな欠伸を一つ。


 それから悪夢を見たあとのルーティンを開始。


 両手をズボンの中に入れ、寝ぼけながらも入念に局部のチェック。


 チソチソ良し。

 タマタマ良し。

 凹み無し良し。


 これといった変化はない。

 とりあえずそのことにホッ、と一安心。


「……あぅ?」


 安心すると同時に触れた自身の髪。


 何となく右手で梳いたそれに視線をやると、白い何かが見えた。


 指の合間から零れる白い糸の様な何か。


 寝ぼけ目を擦り、ちゃんと見る。

 黒ではなく、となったそれを。


 僅かな日の光に照らされる純粋な白。

 

 艶やかで、きめの細かいそれは、白の世界で知り合った怪物さんの毛髪と似たような雰囲気を醸し出して、そこに在った。

 

 女より女らしく伸びた黒髪。

 それがいつか見た夢のままに白へと変わっていた。


 母と父、そして雪美のそれとは似ても似つかない。


 どうして、僕だけがこんなにも変なのか。


 分からない。


「……ABEX…練習、しないと」


 僕は現実から逃げるように、へと意識を切り替えた。


 両手から白くなった髪を溢し、とりあえず今の時刻でも確認しようと、枕元の近くに置いてあるスマホを手に取る。


「……あれ、9月…2日…んぁ?」


 スマホのホーム画面に映る今日の日付。

 気のせいか、大会の日と被っている気がする。


 昨日はスクリム二日目を行った。

 だから今日はスクリム三日目の8月29日のはず。

 でもでも、今日は大会当日の日付…ん?。


「あぅ、どういうことだってばよ…」


 朝一で全く頭が回らない状態。

 俺は混乱状態に陥った。


「……なんか、いっぱい通知来てる」


 二度寝でもしようかなぁ、と思考が脳裏をよぎる中、Witubu、Qwitter、REINの通知を知らせるアイコンが今更ながらに目に留まる。


 嫌な予感がする中、俺はとりあえずREINを開く。


 母からのメッセージは無い。

 ため息が出る。


 SKからのメッセージ200件以上。

 続けてため息が出る。


 みなかったことにしようとするも、後々さらなる面倒ごとが起きそうだったので、仕方なく内容を確認。


『ダウンしなくなって偉いですよ』

『この調子で優勝するぞです』


 スクリム2日目の日付。

 SKから称賛のメッセージ。


 また怒られるのか、と戦々恐々していた俺は、褒められてにっこりスマイル。


 うへへ、もっと褒めて褒めて。


『お菓子たくさんあるですけれど』

『おにぃが勝手に買ってきたんだのです』

『私は頼んでないのですよ?』


 お菓子が家に沢山あることを教えてくれるSK。


 昔、お菓子の食べ過ぎで何度も夜ご飯が食べられなくなったことがある俺は、母に菓子制限をかけられてしまっているので、そのことを羨む。


『一人じゃ食べきれないなぁ』

『です』

『二人だったら完食できるのになぁです』

『ラッシュはお菓子すきなのです?』

『分けてやらんでもないぞ?』

『です』

『お菓子食べながらオフコラボでもするりますか』


 どうやら俺とオフコラボをしたい様子のSK。


 他人に声を晒したくないので、どう断ったものだろうか。


 でも、お菓子食べたいなぁ。


『既読無視はよくないのですよ?』

『なんとかいえですの』

『おいです』

『もう知らん全部食べる』


 お菓子なオフコラボは無くなったらしい。ちょっと残念。俺のお菓子…。

 

 というかなんかSKが怒ってる。


 既読無視したつもりはないけど、そう思われてしまったようだ。


 メッセージ全部読み終えたらあとで謝っておこう。


 じゃないともっと怒るだろうから。


『もう集合の時間ですよ?』

『今日も無視?』

『いい加減にしろです』

『私あ怒るります』

『試合はじまちゃった』

『終わった』

『これ結果』


1位「ポロシュターズ」 pt62。

2位「八咫のカラス」pt79。

3位「ケネディエーター35」pt60。

4位「pork beans」pt55。

5位「ラブ&ラブ」pt38。

6位「B×3」pt36。

7位「chopstick」pt33。

8位「ケロぺロスの輪」pt33。

9位「GG」pt30。


10位「アンダーライン」pt28。

11位「PAS」pt28。

12位「ロリーs」pt28。

13位「おーらい」pt28。

14位「蛙の子はDisaster」pt26。

15位「GRANDです」pt19。

16位「鷹の女」pt18。

17位「ONEアクション」pt15。

18位「あかんやかんおかん」pt13。

19位「近所のBB」pt11。

20位「どっこいしょ」pt11。


 スクリム3日目。

 どうやら俺抜きで始まったようだ。


 適当な視聴者を入れてのそれだったらしいけど、割と好成績を残している。いつの間にかトップ10入りだ。


 俺が居たらもっといい結果を残せたと思うと、なんだか歯がゆい。

 

『今日も来ないです?』

『早く来いさい』

『はじまた』

『おわた』

『これ結果』


1位「ポロシュターズ」 pt78。

2位「八咫のカラス」pt78。

3位「ケネディエーター35」pt66。

4位「B×3」pt51。

5位「ケロぺロスの輪」pt48。

6位「pork beans」pt36。

7位「GG」pt33。

8位「ラブ&ラブ」pt33。

9位「PAS」pt30。


10位「アンダーライン」pt30。

11位「ロリーs」pt30。

12位「おーらい」pt30。

13位「GRANDです」pt28。

14位「蛙の子はDisaster」pt26。

15位「chopstick」pt19。

16位「鷹の女」pt18。

17位「あかんやかんおかん」pt17。

18位「ONEアクション」pt12。

19位「どっこいしょ」pt11。

20位「近所のBB」pt10。

 

 スクリム4日目。

 なんだか順調に順位を伸ばしている。

 あれ、もしかして俺、いらない子?。

 そんなバナナしぇいキングらいす。


『ラッシュ大丈夫です?』

『病気?』

『お姉ちゃんは心配してるります』

『せめて既読付けてほしいですの』

『これ今日の結果ですな』


1位「ポロシュターズ」 pt69。

2位「八咫のカラス」pt70。

3位「ケネディエーター35」pt65。

4位「ケロぺロスの輪」pt51。

5位「B×3」pt48。

6位「GG」pt36。

7位「PAS」pt35。

8位「ロリーs」pt35。

9位「ラブ&ラブ」pt32。


10位「アンダーライン」pt31。

11位「おーらい」pt31。

12位「pork beans」pt30。

13位「GRANDです」pt28。

14位「蛙の子はDisaster」pt26。

15位「chopstick」pt19。

16位「鷹の女」pt18。

17位「あかんやかんおかん」pt17。

18位「近所のBB」pt17。

19位「どっこいしょ」pt16。

20位「ONEアクション」pt14。


 スクリム5日目。

 トップ4。

 ポイント51。

 優勝狙えるところまで来てる。


 ケロぺロスの輪って、こんな強かったんだ。へぇ。


『ラッシュ怒ってるです?』

『なんで何も返事しない?』

『ずっと寝てるなんておかしい』

『です』

『病気?』

『大丈夫?』

『これ、今日の結果ですます』

『大会の日は絶対にくるですよ?』

『くるりますよな?』


1位「ポロシュターズ」 pt85。

2位「八咫のカラス」pt69。

3位「ケロぺロスの輪」pt63。

4位「ONEアクション」pt50。

5位「ケネディエーター35」pt50。

6位「B×3」pt46。

7位「GG」pt45。

8位「ラブ&ラブ」pt42。

9位「ロリーs」pt38。


10位「アンダーライン」pt38。

11位「PAS」pt38。

12位「おーらい」pt38。

13位「蛙の子はDisaster」pt26。

14位「pork beans」pt21。

15位「chopstick」pt19。

16位「あかんやかんおかん」pt18。

17位「鷹の女」pt17。

18位「GRANDです」pt17。

19位「どっこいしょ」pt16。

20位「近所のBB」pt11。


 スクリム6日目(最終日)。

 プロチームの下に我らがチーム名。


 俺たちって割とガチで優勝狙える?。

 だって俺たち、最強だから?、え?。


 てか、凄いSKが心配してくれてる。

 そんなに心配させるようなことをした覚えがない。


 ただ俺は寝てただけ。

 今日までただひたすらに。

 

 今日まで…、只…ねてただけ…あれ?、今日って何日だっけ?。


「9月2日……今日、大会じゃん…」


 スマホで再び今日の日付を確認。

 寝ぼけた頭が急速に覚醒していく。


 スクリム2日目が終わってから5日間。

 どうやら俺は、ひたすら眠りこけていたらしい。


「……」


 いったいこれは何の冗談か。


 5日間、ひたすら眠るなんて、俺は馬鹿か?。


 馬鹿と天才は紙一重だから仕方なし?え?。


「…みんな怒ってる、よな?」


 大事なスクリム期間。


 それをなんの連絡もなしに四日間ボイコット。


 チームメンバーのSKとメテヲさんは勿論のこと、スクリム配信を楽しみにしていた各リスナーだって台無しにされたと怒っているはず。


 俺が寝過ごしたということを知ったら、不可避の炎上まったなし。


 もう嫌だ。


 怒られるの、もう嫌だ。


「病気だったことにしておこう……うん、それがいい。きっとそうした方が皆も俺もhappyだ」


 SKは俺が病気だと疑っている。

 ならそういうことにしておこうと思った。

 

 …あとで、病人らしい仕草を勉強しておこう。

 

「と、とりあえず、続きを読もう」


 俺は額に滲む嫌な汗を袖で拭いながら、まだ途中だったSKのトーク画面をタップして、下へとスクロールしていく。


『ラッシュ大変』

『ラッシュのチャンネル登録解除祭りがはじまった』

『です』


「…ふぇ?」


 昨日というか、数時間前に来たよくわからない文章に、俺は呆けた声を出す。


 何を言っているんだと思いながら、更に下へとスクロール。


『地声出さないからリスナー怒ったです』

『もう半分きえたですよ』

『はやく地声で配信するです』

『お姉ちゃんがサポートしてあげるりますから』


 謎にお姉ちゃん面するSK。

 俺はそれを無視し、すぐさまWitubuを開く。


 そして、自身のチャンネルへといき、娘達の数を確認する。


「…きゅ、980…にん」


 俺が最後に見た娘達の数は確か5千…いや、1万をこえていた。


 しかし、今の娘達の数は口にした通り980人。千にも届いていない。


 いったい、何が起きたというのだろうか……いや、SKがなんとか祭りといっていた。きっと原因はそれだ。


 俺はクークルの検索ボックスに『豪王ラッシュ』『チャンネル登録解除』と入れ、検索をかけた。


 それから一番上に出てきた検索結果のやつをタップし、とある掲示板へと飛ぶ。

 

 その掲示板では、俺のスレが幾つか立てられていたけど、その中でも今、一番盛り上がっているであろう『ラッシュの解除際はじめるよ』というそれを覗き見る。


――以下、掲示板の内容――

 

1.名無しさん20XX/9/02(日)

 祭りの会場はこちら。


2.名無しさん20XX/9/02(日)

 あの頭オカいつになったら地声出すん。


3.名無しさん20XX/9/02(日)

 いい加減にしてほしいよな。


4.名無しさん20XX/9/02(日)

 そもそもあの声が地声というのも疑わしい話。


5.名無しさん20XX/9/02(日)

 普段からボイチェン使ってんだからどうせ加工。


6.名無しさん20XX/9/02(日)

 加工にしてはちょっと生々しかった。


7.名無しさん20XX/9/02(日)

 加工でも地声でも正直どっちでもええ。

 さっさとあの萌声で配信しろって話。


8.名無しさん20XX/9/02(日)

 中身肝豚の雄でも気にせんのか?。


9.名無しさん20XX/9/02(日)

 萌声は萌声。

 ほかの何者でもない。


10.名無しさん20XX/9/02(日)

 あ、はい。


11.名無しさん20XX/9/02(日)

 ゲロ野郎の登録解除してきた。


12.名無しさん20XX/9/02(日)

 ないす。


13.名無しさん20XX/9/02(日)

 おつラッシュ。


14.名無しさん20XX/9/02(日)

 今ラッシュのチャンネル見に行ったらめっちゃ減ってて笑った。


15.名無しさん20XX/9/02(日)

 大半のドーターズが不満を持っていたという事実。ラッシュ反省しろ?。


16.名無しさん20XX/9/02(日)

 全てはラッシュが招いたこと、致し方なし。


17.名無しさん20XX/9/02(日)

 お前ら餓鬼じゃねぇんだからもう少し見守ってやれよ。


18.名無しさん20XX/9/02(日)

 本人登場で草。


19.名無しさん20XX/9/02(日)

 とりま嘘か真かはっきりしろ?お?。


20.名無しさん20XX/9/02(日)

 はっきりしたところで今更おせぇよ。

 あんな底辺Vみてる暇があったらルルにゃたんか、四天王みた方が何倍もマシ。時間の無駄だからお前らもそうした方がいいぞ。


21.名無しさん20XX/9/02(日)

 ↑それな。


22.名無しさん20XX/9/02(日)

 登録解除NOW。


23.名無しさん20XX/9/02(日)

 登録解除解除~。


24.名無しさん20XX/9/02(日)

 登録解除したった。

 

25.名無しさん20XX/9/02(日)

 嘘つきには制裁を。

 裁きの剣をラッシュに突き立てん。


26.名無しさん20XX/9/02(日)

 SKからもらったガワを着てさっさと転生はよ。


27.名無しさん20XX/9/02(日)

 転生しても中身男だから俺は見ねぇよ?。


28.名無しさん20XX/9/02(日)

 SKの口ぶりからしてラッシュの中身女ぽかったけどな。


29.名無しさん20XX/9/02(日)

 彼氏を売れっ子にするためにSKも必死。


30.名無しさん20XX/9/02(日)

 ↑やめろ、それは俺に効く。


31.名無しさん20XX/9/02(日)

 SKは世界一のアイドル彼氏なんかいるわきゃねぇだろうが4ね。


32.名無しさん20XX/9/02(日)

 四天王とルルにゃたんがいる限り世界一は名乗れねぇよ。


33.名無しさん20XX/9/02(日)

 それを目指すところに惹かれるんだろうが。


34.名無しさん20XX/9/02(日)

 お前ら関係ないこと語り過ぎ。

 さっさと登録解除してどうぞ。


35.名無しさん20XX/9/02(日)

 うぃ、了解でやんす。


36.名無しさん20XX/9/02(日)

 くらえぇええ、登録解除爆弾キャンセリングボム!!。


37.名無しさん20XX/9/02(日)

 ドーターズの怒りを思いしれぇぇええ゛!!。


38.名無しさん20XX/9/02(日)

 正直、娘あつかいは新鮮でわるくなかった。

 だが、祭りは祭り。

 悪く思うな…ラッシュッ!。


――その後もイッチ主催の祭りは賑わいを見せ続ける、今も尚…――


「……成程」


 現状を正しく理解した俺。


 一般人を装い、ラッシュの良さを世間に広めたあと、誹謗中傷飛び交う掲示板から退散。スマホを閉じる。


 それから力なくベッドへと倒れこんだ。


「そんなにこの声がいいのかよ…クソがッ」


 誰に向けたのかも分からない暴言。

 なぜだか自分の心に突き刺さる。


 女々しすぎるこの声が。

 周りから求められるこの声が。


 実に腹立たしい。

 不愉快だ。


「ぐっぅ゛…うぅ」


 怒れるままに両手で喉を抑える。


 抉り取ろうと力む。

 が、自己防衛本能がそれを邪魔する。


 結局は何も変わらない。


 俺は、俺の声は女々しいままだ。


「……ABEX…練習しないとなぁ」


 変えられない現実に嫌気がさしながらも、大会のことに意識を向ける。


 だがしかし、体はベッドから離れない。


 無意識にスマホへと手を伸ばし、少しでも練習しておかなければならないのに、と思いながら、未だに開いていないQwitterを立ち上げる。


 やる気が起きないのだから仕方がない。


 今はただ、無気力人間榊美春で在りたいのだ。


「……なんかきてる」


 知らない人からのDM。

 俺はそれを開き、内容を確認する。


「……だれ?」


 中身を確認すると、見たこともない男性の自撮り写真が幾つかあった。


 パッとしない相貌。

 何ならちょっと平均より低め…かな?。

 雪美の方がかっこいいと言えてしまう程度のお顔だ。


 だけれど、カッコつけた感じのせいでちょっとカッコよく見える。不思議。


『初めましてラッシュさん』

『急な話で悪いんだけど、大会の前に少し会えないかな?』

『食事でもとりながら、ゆっくり話がしたいんだ』

『勿論、僕の奢りでね♪』

『おいしい店を知ってるから是非どうかな?』


 写真に添えられるようにメッセージ。


 奢り、おいしい、という単語に惹かれるも、4日間のブランクを埋めるため、俺は練習をしなくてはいけない。


 ので、誰とも知らない自撮りな人の誘いを断る。


「…てか、この人もV際に出るんだ」


 謎に自撮りを送ってきた人物。

 それのQwitterに飛び、色々と情報を漁る。


「紙面六花…VTuber、…あ、ピリリカさんと同じチームの人だ」


 ピリリカさんがチームリーダーを務めるPAS。

 当然ながらメンバーは全員VTuber。

 彼はそのうちの一人のようだ。


 会ったことも話したこともない俺をいきなり食事に誘う点から変な人だと思っていたけど、成程、そういうことか。


 紙面六花という名前でVTuber活動をする同志と知って、腑に落ちるところがあった。


 変人奇人が多いVTuber。

 流石である。


「……さて、と」


 しばらくダラダラとベッドの上で過ごしたあと、ようやく俺は、けだるげに胸をかきながら・・・・・・・起き上がった。


「…あれ、また背が伸びたかな?」


 僅かな視点のズレ。

 もしやと思い、いつも身長を測っている壁際に立つ。


 そして、目標としている壁の模様を見上げ、どれだけ差が縮んだのかを調べる。


「おぉ、おぉおッ、ちょっと伸びてる!気がする!」


 俺は今、中学生。

 成長期はまだまだこれから。


 あと1年2年もすれば、きっとこの女々しい体と声ともおさらばだ。


 男はより男らしく、女はより女らしく。

 それが成長というもの。

 保健室の先生が言っていた。


 俺は男。

 だから問題はない。


 いつか、ラッシュみたいな逞しい体と、勇ましい声を手に入れるんだ♪。


「今に見てろよぉ、くっくっく」


 女々しい自分を望む周りの声。

 それを一蹴できると思い、俺はほくそ笑む。


 先程の憂鬱な気分は既に晴れ、俺はしばらく小躍りした後、ゲーミングチェアへと座り、PCを起動させた。


「いざ、出撃ーーー!!」


 マウスを右手に掲げ、勇ましくもその声を轟かす。


 豪王ラッシュ、戦場を駆ける。

 大会まで残り12時間。

 ひたすら駆ける。


 SKへの謝罪も忘れてひたすら駆けて駆けて駆けまくる。

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