ショートショート・『サラダ記念日』
夢美瑠瑠
ショートショート・『サラダ記念日』
<この味がイイネと君が言ったから七月六日はサラダ記念日>
…その前の日がハナキンで、だいぶ遅くまでお酒を吞んでしまった。
同僚の女の子と梯子酒をして、さんざんに上司やら仕事やらへの憤懣を喋り散らして、鬱憤を晴らした。
それで、7軒目くらいから記憶があやふやになって…確か気持ち悪くなってゲ〇したのは覚えているが、どうやって家に帰ったかは綺麗に記憶から抜け落ちてしまっていた。
で、よくあるパターンだが?
目が覚めると隣にメンズ雑誌から抜け出てきたような?絵に描いたような”イケメン男子”が眠っているではないか!
私は、しかし、そんなことは初めてのことだったので、驚愕して、
「きゃあああああああ!!!!!あなたはいったい誰?」
と、思いっきり叫んでしまった。
「ん?んん…?」
”イケメン”はむにゃむにゃいいながら目を覚ました。イケメンが、オールヌードで、朝の光の中にいるのはなかなかに素晴らしい光景だったが?そういう場合ではなかった。私は処女だった。で、「喪失」をしたという…少なくとも記憶はなかった。
で、私も一糸まとわぬ、生まれたままの姿だった。
「まさか…まさか…」
私は真っ青になって震えていた。この見ず知らずの青年と酔った勢いで、ハツタイケンをしてしまったのだろうか?
「へへ…いただいちゃいました。」
青年はペロッと舌を出した。
…その後にせっかく知り合えたのだし、よく見ると超がつくほどに私のタイプだったので、交際してもらうことにして、とりあえずにキヌギヌの朝食をとることになった。
昨日作り置きのマカロニサラダを二人で食べた。
コーンとごま油を入れるのが私流である。
「うんおいしい!すごくイイネ!」彼がほめた。
これは俵百智さんに聴いた、実話である。w
<了>
ショートショート・『サラダ記念日』 夢美瑠瑠 @joeyasushi
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