17で少女で馬鹿で夏だった無敵なんだとそう思ってた
南条えちか
17で少女で馬鹿で夏だった無敵なんだとそう思ってた
制服は戦闘服でセブンティーンアイスの棒を武器に戦う
シャーペンのシャープの語源知らないで突き刺すように文字を書いてた
シャー芯のケースはいつもクリアブルーやさしく振ると波みたいだし
昔からしたかったのは炭酸の抜けたサイダーみたいな恋愛
「私もうずっと17だと思う」なんて言ってたけれど夏服
隙あらば好きだと言えよ好きならば心の隙間に「好き」のまにまに
沈黙の破りかたすらわからないわたしをカランと氷が笑う
君の言うやさしいねって褒め言葉なぜだかわたしチクリと痛む
好きなんて言葉はまるで嘘みたいメロンソーダと同じくらいに
一番じゃないなら二番も三番も意味がないって思っちゃうよね
ブランコが好きだ免許がいらないしわたし地に足ついていないし
グリコチョコレートパイナップルわたしだけが動けず置いてかれてる
大丈夫とか平気とか仕方ないとかいう嘘を日記に刺すよ
ひとつだけ過去を改変できるならわたし君とは出逢いたくない
脳内のお花畑でわすれなの花かんむりを作って君へ
靴を脱ぎフェンスを越えて立ちすくむわたしをやがて西日が照らす
道端で拾った安い絶望をいつまで愛でているつもりなの
とりあえず進んでみようと思いますハッピーエンドを見つけるために
青春と聞いてあの夏思い出し抱く気持ちは確かにブルー
17で少女で馬鹿で夏だった無敵なんだとそう思ってた
17で少女で馬鹿で夏だった無敵なんだとそう思ってた 南条えちか @nanjouethica
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