第46話 異団の傭兵団①

★★★ガニーゲニー★★★

 ガニーとゲニーは姉と弟だった。

 普通のリザードマンとして生活出来なかった。

 ボマーと言うスキルに目覚めて、後は色々あった。

 でも異団の傭兵団に入って人生が変わった。


「なぁ、ゲニーあたし達最高だよな」

「ああ、そうだよ姉ちゃん」


「「2人で研究して」」


「「世界最大級の爆弾をおみまいするよ」」


「「団長が覚悟を決めたんだ。あたし(僕)たちが決めないでどうする」」


「あなた達またエルフレイク城吹き飛ばすみたいのはやめてよ」


 リナテイクが武器を構えながら叫ぶと。


「「それは大丈夫、研究に研究を重ねたからさ」」


「あたしと」


「僕は」


「完全融合する」


「「ダブルドラゴンと呼んでくれい」」


 光が輝き。

 ドラゴンの姿になった赤いドラゴンと青いドラゴンは融合する。

 1体の巨大な赤青のドラゴンではなく、人の姿をしたドラゴンがいた。

 首は長く、手足も長く、見るからにリザードマンではない。


 右手と左手を構える。

 他の仲間達は勇者イルカスとジンガダンとのバトルに繰り出している。


「姉ちゃん、これが僕たちのターゲットボマーだ」


「長かったねーあたし達のボマーは無差別だからさー」


「研究に研究を重ねた」


「これがあたしとゲニーのターゲットボマー」


 右手と左手を重ね合わせる。

 姉の手と弟の手が合わさる。

 赤と青の球体が生まれ。それがまっすぐに飛翔する。


「全魔力」

「つかっちった」


「あとは頼むぜ」

「姉ちゃん眠ろう」


 ガニーとゲニーはその場で倒れてぐーすか眠りだす。

 だが2人の残した最高傑作のターゲットボマー。

 対象が死ぬまで追尾し爆破し続ける。


 ターゲットボマーに使われている素材は【レベル99999:ドローン】という秘宝だった。


★★★魔王ルウガサー★★★


 ダンジョンを破壊された。

 それが始まりだった。

 逃げて逃げて逃げ続けた。

 父親からは自分自身の事を俺様と呼べと言われた。

 それでも自分の事は私と呼びたい。


 異団の傭兵団に入り楽しい日々を過ごした。

 復讐の鬼になっている団長の姿は非常に怖かった。

 それでしか自分自身を表現できない団長が羨ましかった。

 魔王に生まれたからにはダンジョンを作るのが当たり前とされると思っていたから。

 ダンジョンを作っても好きなように生きていい概念なんて無かったから。

 1人の女性として生きていいなんて思っても見てなかったから。


「団長が作ってくれた武器【レベル99999:神話鎧】これでいかせてもらいます」


「モンスターパーツ、右手、左手、右足、左足を自由の墓場ダンジョンにいるモンスターと交換。神話鎧のおかげで、頭以外でいけるはず。体は抵抗あるからやめとく」


 次の瞬間、両手両足がモンスターに変貌する。


「モンスターガチャ(ストック)発動」


 モンスターガチャはモンスターを生贄にする事でガチャを引ける。

 両手両足を生贄にすると元の両手両足に戻る。

 ストックしているのですぐにガチャは使用されない。


「またモンスターパーツ。ごめんなさい、今、自由の墓場ダンジョンを守るよりこっちよ」


「モンスターガチャ(ストック)生贄」


「モンスターパーツ」


「モンスターガチャ」


 それを何回も何回も繰り返す。

 仲間達は必至で戦いながらこちらを見ている。

 ガニーとゲニーは何か特大のスキルを発動させてぶっ倒れた。


 ぴきぴきと神話鎧にヒビが入り始める。


「もってください、団長の鎧」


「モンスターパーツ」


「モンスターガチャ」


「はぁはぁ、ストック100万行きました。最高なモンスターよろしくお願いしまっす」


 魔王ルウガサーがモンスターガチャを引く。

 そこから現れたのは、闇の王スプリガンだった。


「けけけけえけけええけえけけ」


 こちらを見て笑っている。


 レベル100億。


「お願いします。力を貸してください」


「けけけけけけけっけえっけ」


 スプリガンが手を差し伸べる。

 闇の王は小さな手を魔王ルウガサーに重ねる。

 そのまま体の中に入り。


「やってみるものね」


 頭以外のパーツが闇の王のようになり。背中から精霊の羽が生まれる。


 闇の精霊スプリガン。

 その異名もあった。


 右腕と左腕に幾何学のような文字が生まれ、右足と左脚に輪っかが無数に出現する。


 神話鎧は闇の王スプリガンと相性が良かったようで。


「凄いこれなら」


 魔王ルウガサーは空を飛翔した。

 

 ★★★ボーン・スレイブ卿★★★


 屋敷があった。家族がいた。

 それは既に終わった物語。

 妻がいた息子がいた娘がいた。毎日食事を食べていた。

 それは既に終わった家族。

 毎日何年も何年も、体が骨になろうと、繰り返された生活。

 妻は息子は娘はそこにはいなかった。

 あたかもいるように思っていた。

 

 家族は、いなかった。

 もう死んでいた。

 自分だけが死ねなかった。


 なぜか、アンデット王だから。

 そう選ばれてしまった。そういう血筋だったから。

 遥か昔アンデット王はヴァンパイアとグールとアンデット達を引き連れて戦ってきた。


 彼等の利権を求める為に。

 優しさとは唐突に裏切られる。裏切りとは優しさと同意語ではない。

 いつまでも答えないない迷路にはまっているなら、ボーン卿が答える。


「まぁ、まずは生きろ」


「そして盛大に死ね」


 ボーン卿はそう呟き。


「わしは意味のある死を見つけられなかった。だから意味のある死が欲しい。だが団長は許さないだろうから生きて生きて幸せを勝ち取るさ。なぁ、お前達」


 そこにはヴァンロードもブレイクもいた。


「久々にアンデット王軍の再結集じゃ、ヴァンロード伯爵、ブレイクよそなた等は自分の為に戦え。わしも自分の為に戦う。この戦いが終わったら。皆、墓場を大事にしよう、ぐははははっはあは」


 ヴァンロードもブレイクも無言であった。


「さて、もういっちょ骨召喚といこうか」


「わしは死ぬ事は無い、不死身と言う呪われたスキルがあるからのう」


「独り言はさておき」


 後ろには数えきれないスケルトン達が群がっていた。


「もう数えるのは止めた。お前達が戦いたいだけ戦わせる。じゃがわしが吸収するがのう」


 レベルは倍増していく。

 いつもは1億だが、今は少し上くらい。


 それを骨融合させ、骨吸収する。


「レベル99999:倍増の玉」


「武器アクセサリーと言う奴だな、これがあれば、吸収した質量事倍増して巨大化させる」


「まぁ、さっきから独り言失礼、この巨体さね」


 そこには巨大な骨の姿をして、鎧に身を包んでいるボーン卿がいた。


「憑依玉と倍増玉の力、ボーンスカイソードが使えないのは悲しいがな」


 それでも圧倒的な巨体。

 トロールのグスタファーより遥かに巨大。

 もはやモンスター級。

 城よりも巨大。


「すっげ」


 勇者イルカスがそれを見て驚き。

 ジンガダンとオメガは向かいあっている。

 そこに向かっているのが影のような闇のような姿をした魔王ルウガサーと勇者イルカスの方角には謎の玉が追尾していた。


 次の瞬間、団長とジンガダンがものすごい勢いで斬り合いを始める。

 団長は人間が使うような剣を使い。

 ジンガダンは円刀のようなシミターを使っている。


「わしの相手は勇者イルカスかいのう」


 ボーン卿は巨大な拳を勇者イルカスに落とす。


「レベル30兆、そんなの小指で」


 だが小指は押される。


「嘘だろ」


「レベルが全てじゃないんだよレベルが」


 その時のボーン卿は愉悦に浸ったのだが。


「あ、これ左の指ね、俺右利きなの」


「な、なにぃいいいい」


 右手の小指でボーン卿は遥か上空に吹き飛ばされ、街の中を落下し、家や建物が次から次へと崩壊していく。


 そこに生き物がいなかった事が幸いだった。



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