チート級変り者傭兵団〜幸運製造で武具レベル9999、オレタチ無敵〜
MIZAWA
1章 オレタチの傭兵団
第1話 ドワーフ青年オメガ
ドワーフ村。それはどこにでもあるドワーフが住んでいる村だ。
沢山のドワーフが鍛冶仕事にあけくれ、あるものは近くの山から鉱物を採掘しに行ったりする。
ドワーフの女性は可愛らしく、美味しい料理を作ってくれる。
そんな平和な所にドワーフ青年で今年で18歳のオメガがいた。
オメガには幸運製造というゴミスキルがある。
使い方が不明の謎スキルと言ってもいいだろう。
さらに戦闘が下手でレベルはずっと1のままなのだ。
だが、そんなオメガには得意分野がある。
武具を製造するのが得意という事だ。
レア級とされるレベル10以上を製造できる。
相当な達人になればレベル100の超級を製造したり、伝説だとレベル1000くらいの武器を造ったりしている人がいるそうだ。
オメガは背中のカゴ一杯に果物を購入し終えて、家に帰宅しようとしていた。
その時悲鳴があがった。
大勢の人間達がドワーフ村に入ってきたではないか。
彼等は人間の旗を掲げて叫んだ。
「皇帝陛下はドワーフ王国を滅ぼした。よってここは人間の村とするが、皇帝陛下は優しい、だからドワーフ達にはここに住む権利を与える。しかし、ただではない、お前らが作る武器防具を無料で提供する事だ。それも死に物狂いで作れいいな、全ての鍛冶場は人間のものだ」
その日からとても大切な仕事場である鍛冶場が人間達に奪われた。
それはオメガだけの話ではない、他の仲間達もそうだ。
そしてそこで働かされるが監視付きで、食事も決められ、ほぼ奴隷の生活が始まった。
1人また1人と過労死で死んでいく。休み時間は1日で1時間だけ。
手は震え、体はがりがりに痩せてきて、幻覚や幻聴が見えたり聞こえたりする。
1人また1人と狂っていく。
そうしてオメガは運命の転換期を迎えた。
休み時間、外で石ころを拾った。
なんとなく、スキル【鑑定】で調べてみる事に。
【幸運の石】と書かれてあった。
自分の幸運度はほぼほぼ10くらい。
なんとなく幸運の石を砕いてみた。
ステータスを確認すると幸運度が9999になっていた。
眼が飛び出そうになる。
残り100秒で表示されている。
なんとなく木の枝でナイフを作ってみた。
それを鑑定してみると【木のナイフ:レベル9999】
と表示されている。眼が飛び出るだろうと覚悟した。
深呼吸していると、1人の人間の兵士が近づいてきた。
「うぉい、そのナイフよこせ」
ほぼなんとなくだった。
オメガはナイフで払ってみた。
見えない斬撃が飛んで、兵士の体が真っ二つになった。
「はは、はははははは」
オメガは狂いそうになっていた所、希望の光を見つけた。
【幸運製造が発動され、幸運の女神があなたのしもべとなりましょう】
「君が幸運の女神?」
【まずそのナイフはあなたしか使う事が出来ません、他の人が触ればただのナイフです】
「はい」
【しかし、信頼のおける仲間になら託せるでしょう】
「はい」
【ところであなたはそれで何をしたいですか?】
「そ、そんなの決まってる」
オメガの頭の中で沢山のものが巡っていく。大勢のドワーフが死んだ。
人間達に復讐がしたい。
人間を滅ぼしたい。
だけど自分には力がない、レベル1だ。
【それでレベリングをしましょう、いまのでレベルが10になりましたよ】
「はは、ははは」
オメガの頭の中には絶大なる力が誘惑していた。
「俺は仲間を探したい傭兵団を作りたい。でもこの村を助けたい」
【なら、この村にいる人間を皆殺しにしましょう、それも残酷な方法で見せしめにするのです】
「そうだね、はははははっはあはあ」
オメガはまるで散歩するかのように歩き出した。
1軒1軒鍛冶場に乱入しては。
「お前なんだ。働かないのかぎゃあああ」
【ザシュ】
「こ、こっちくるな、こっちは皇帝陛下様のぎゃああああ」
【グシャ】
「ふ、ドワーフが、このわしはな人間でもぎゃあ、まってくれ、足が足があああ、まってくれえええええ」
【グチュ】
ドワーフの青年オメガ、彼はまるで作業をするように1人また1人と人間を殺していった。
ドワーフの村人達は絶句してその光景を見ていた。
あまりにも強すぎるドワーフ青年のナイフ、だが兵士を倒すたびにオメガの動きは軽やかになっていく。
それは猛スピードでレベルが上昇しているからだ。
【おめでとうございます。現在レベルは22です。スキル【採掘S】【伐採S】【採集S】を習得しました。これらはとてつもなくレアなスキルとなっております】
「それは助かるよ、そうだ。幸運の石ってもうないのかな」
【あちこちにありますよ、あなたは一度鑑定しているのでサーチが可能です。サーチ機能をオンにしておくと幸運の石が近づくたび教えましょう】
「それは助かる」
「お、おい、何独り言話してるんだいオメガ」
それはドワーフ村の村長のおじいさんだった。
「いえ、気にしないでください」
「じゃが、人間を皆殺しにしてしまいおって、制裁がくるぞ」
「大丈夫です。ドワーフ王国を解放しますから」
「なんじゃと」
「1人で出来るとは思えませんが」
「ふむ」
「あと出来れば、皇帝陛下って奴を殺します」
「それは無理じゃ」
「今はね」
オメガの目は殺気だっていた。
それは自分自身で自覚していた。
不思議と体が羽毛のように軽かった。
「旅に出るのじゃな」
「はい」
「オメガよそなたの武具は優しさがあった。それを忘れるな」
「はい、村長」
「食べ物と必要な物ありったけもっていけ」
「それは助かります」
「イベントリはあるのう、さぁわしのイベントリからぶちこむぞ」
そういって村長は異空間にあるとされるイベントリから大量の食糧を取り出した。
あの兵士達から隠し通せたのはイベントリがあるから。
これはドワーフ限定の特殊スキルとされ、ドワーフ族の秘密とされている。
それはオメガも同じである。
イベントリの中には色々な素材がしまわれているのだから。
村長のイベントリからオメガのイベントリに大量の食糧や必用な物が流れてきた。
オメガはほっとすると、にこりと会釈した。
「皆さんありがとう」
その時1人また1人と手をあげた。
「うぉい、オメガ、おめー人間亡ぼせよ」
「期待してるわ、死んだ旦那が見守ってくれるわ」
「オメガ、やるからにはやれ」
「おめーの武具最高だぜ」
「なぁ、オメガ元気でな」
大勢のドワーフ達の声を後ろに人間を滅ぼす為に旅を始めるオメガ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます