最終章 Nothing is worth more than this day.

第25話

 どもども。

 から昇格?した勇者ヤリチンの柏田です。


 コアラ女の撒いた大量の油で、勢いよく燃え盛ったゴシップに、どうやら野球部の面々(特に女子マネちゃん達)が俺の良い噂を流してくれていたのが、なんかもー、見事に合わさって勇者ヤリチンの柏田が爆誕してしまったらしい。


 ぐすん……。

 まだ童貞なのに。


 野球部の面々はさー。

 いい風に言ってくれててありがたいんだよ?

 でも、さー。

 これって、どんなプレイ?

 ある意味、恥ずかしいよぉ。

 

 あと、なんかー。

 ずっと、二年の一軍女子達ビッチちゃん達が舌舐めずりしてるよぉ。

 

 ねーねー。

 みんな、健全に彼氏とやろーね?

 あと、俺氏、偽勇者だからね。


 まー。

 それでも、(偽)勇者爆誕のお陰で天童は大人しくなったから結果オーライなのかもしれないな。

 しかも、黒川さんは、あの三人組と離れて野球部マネージャーの春日さんのグループ俺のバイト先にもよく来てくれるんだぜぇに入ったらしい。


 これで、ひと安心だ。





 だけど……だ。





 俺とコアラ女は……。

 





 俺の目の前で繋がれた、手と手。





 サッカー部の島田の嬉しそうな顔。

 反対に憂鬱そうなコアラ女の顔。



 その日から、来なくなったライン。

 バイトまで辞めてしまった、コアラ女。


 

 いつも当たり前だったから。

 コアラ女のいる日々が当たり前だったから。

 俺は戸惑うことしか出来なかった。



 だから、君が事故で亡くなった日――。



 不意に思ったんだ。




 あの日――。




 君は――。




 部室棟で何を話したかったのだろう?



 ◇◇◇



 最終章、始まりました。

 あと少しで終わりますので、お付き合いいただけますと幸いです。

 

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