【歌集】『秒の目盛り』
ヶ浦
秒の目盛り
なんとなく負の能力を持ちたくて蟹アレルギーだった中1
下校路のこえだんだんと遠のけば乱反射する川面のひかり
投函の音を朝陽を封じ込め母はだし巻き卵を畳む
濁音とびっくりマークのつく声で何度も母を求める稚児は
小学生男児の頃に見えていた秒の目盛りの粗くなりゆく
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