第28話

 ……あぁ。やっぱりみんな飛ばされてしまっているな。


 たぶん生きてるとは思うけど…。意識はなくなってしまっているだろう。


 じゃあ、今倒すことは考えたらいけない、か。


 とりあえず仲間たちの意識が戻るまでは防御魔法かけながら戦うしかないな。


「生きてるのは星斗君だけかね?いやぁ…、戦い甲斐がないなぁ…。」


「生きてるのは僕だけじゃありませんよ。」


「なに!?」


「みんな生きてます。気を失ってるだけで。だから!俺はみんなを護りながら戦うんだ!」


 ……あは。やらかしたくね?俺。死んだってことにしといたほうがそっちに攻撃行かないから良かったのか…!?


 けど!俺は守るって決めたんだよ。それが、強者の役目だから。


 そのために、俺が強者になるために、魔法の実をいっぱい食べたり、SSランクダンジョンを周回したんじゃないか。


 普通だったら、周回なんて意味ないよな。経験値なんてないから。


 そう、普通なら。


「そうか。護りながら戦うっていくら星斗君でも難しいのではないか?」


「それは、やってみないとわかんないんじゃないですかね?」


「なら。星斗君を潰してしまえば全員を倒したも同義だな!では。単体攻撃で威力をとても高くしたものにしてあげようじゃないか。ゆくぞ。

炎弾フレイムバレット】」


 そう協会長だったモンスターが唱えると、だんだんと大きな火の玉が生成されていき…!


 来るっ!!【マホシールド】!


 ……どうだ、?いや、どうだ…?って思えてる時点で耐えてるのか…。


「流石に一撃で死なれたら面白くないからなぁ…。やはり耐えるよな。」


「あぁ。流石にな。こんなんで死んでたら俺だけ意識が残ってる意味がない。」


 おもしれぇ。今までに戦ってきたどのモンスターよりも強い。


 感覚的には…そうだな。SSSSランク近いSSSランクって感じか?


 いいな。強いやつと戦うほど燃える。強いやつと戦うほど、俺も強くなれる。


 俺が強くなれば、こいつを倒せる。


「では。次だ。次からは手加減しないぞ?先程よりもだいぶ強い威力になるだろう。星斗君、君には耐えられないのでは?」


「耐えるよ、俺は。そんなんで負けるほどやわじゃないからな。」


「はっ!小童がほざいてやがるな。ゆくぞ!

炎槍フレイムランス】」


 おお。きたねぇ。さっきよりも威力はあるだろうけど、さっきよりは遅いな。見切った。


 右側に飛んできてるってことは、左側に良ければいいだろ…!?


「やはり単純に威力をあげただけでは無理だったか。」


「まぁな。さっきよりも速度が落ちてたから見切りやすかったよ。」


「舐めた口を…!」


 舐めたつもりはないんだけどなぁ…。けど、これが本気だとしたらだいぶ雑魚だよな。倒し甲斐がない。


 あと、そろそろ皆さん起きてくれませんかねぇ…。俺一人で戦うのしんどくなってくるよ?


「なにを考えてるんだ?小童が。ほれ、次の技、行くぞ?」


「おうよ。」


 しかし、なかなか相手は技を出さない。いや、油断させようとしてるんだろう?


 油断するな、俺。わかってる。ほら、相手がニヤリと笑って……


〝ドォォォン!!〟


「おいおい。命中力が悪いなぁ…。合体アイテムには命中力アップの効果もあるんじゃなかったのか…?」






_______






脅威の2日連続投稿()

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