物を語る
九十九 一八
第1話 眼鏡。
僕は、名前をつけられてから17年が経つ。そして、僕の体の一部である”眼鏡”が今まさに、年季を帯びている。形あるものいずれは壊れると言われるが、僕にとっては「形」ではない。
自分のペットの名前はほとんどが典型的だ。バニラ、チーズ、ポチ・・・・・
逆に、自分に子供ができたとして、ペットと同じ名前を付けようする人は、恐らくいない。
僕には、6匹の猫を飼っている。どれも可愛いし、均等に愛している。そして、その6匹には、名前がある。しかし、それをたとえ、子供になずけようとすると、虐待もしくは親馬鹿を悟られるかもしれない。その間にある、ギャップは恐らく「愛の形」だろう。
一生をともに過ごそうとする、ものほど簡単な名前を付けておきたい。
そして、10年20年もすれば、離れて行ってしまうものには、意味のある名前を付けておきたい。
「物事の本質は言い換えると、我々の視点であって形だけを見ていては何も気づかない。」
形とは眼鏡の前の言葉であって、眼鏡とは形の後の名前である。
僕は、”眼鏡”に名前を付けない。なぜなら、もう素晴らしい名前がついているからだ。
僕は、こう考える。
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