練習

Kunigi

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「えろいな」と言われて振り返ったら、崇裕がすぐ後ろにいて俺を見ていた。

なにが、と笑ったら、「なんかもう、悠人がえろい。」って、首筋を撫でてくる。

まって、どうした、って言いながら、俺も崇裕の腰に手を回してしまった。崇裕の体は無駄がなくて、俺とは違って筋肉がちゃんとついていて、でもあったかい。

「なに撫でてんだよ」って言われて、男二人でこんな撫であってる絵面やばいよなって思うけど、崇裕もまんざらでもなさそうで、「いい体してんなって」ってぎゅってしてしまった。やばいじゃん俺。

そう思ったけど、思った時には首筋にキスされてた。意外と柔らかい、その中心のあたりで湿っぽい感触がして、舌じゃん、と思う頃には耳に移動していた。

やばい。俺やばいじゃん。

密着してくる崇裕の体は俺よりずっとゴツくて筋肉が全部よくわかって、あれも俺の脚にあたってるけどそれがほんのり大きくなってるのもわかって、まじでやばいんだけど、俺も回した腕をなんかほどけない。解かなかったら止まんない、けど、いま拒みたくない。だってこれ、だめだろ。やばいだろ。

「……崇裕、」

「……うん?」

耳元で返事されたから、吐息がくすぐったかった。

「お前、酔ってんだろ」

崇裕はちょっと笑って、それから、「そうかも」っていいながらキスしてきた。唇に。

脚に当たってる崇裕の崇裕はもうちょっと立ち上がってて。崇裕の脚にあたってる俺のもちょっと大きくなりつつあって。

酔ってはないだろ。

酔ってない崇裕と、酔ってない俺がこの先どうすんのかわかんないけど、ちょっと離れた唇を追いかけて俺もキスしかえしちゃった。どうすんだこれって思うと口角が上がる。

「……やっぱ悠人、えろいな」

崇裕がまた言った。

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