ポンコツ後輩をからかいながら癒される話

アントロ

第1話・後輩とからかいと耳かき

人物設定

貴方・・・高校3年生。後輩の反応が可愛くてついからかってしまう。結構ウブ。

桜・・・高校2年生。先輩にからかわれる事が日常になってきてる。ピュアすぎてちょっとポン。



「先輩、おはようございます!」

「早晨好...? えっどういう意味...」

「あっ、ニーハオは分かりますよ! こんにちはでしょ!」


スマホを操作して読み上げで【樱花是如此漂亮】と読ませる。


「ゆーぱー......えっちょっ先輩待って分からないです」


【你是世界上最可爱的东西】


「あのっせん、先輩? 日本語忘れちゃいました?」

「っていうかどういう意味なんですよ...スマホ見せてください!」

「あー翻訳サイト使ってたんですね...えっと...」


【樱花是如此漂亮】:桜可愛い

【你是世界上最可爱的东西】:世界で一番可愛い


「...!?」

「あっ、えっ、あ...」

「な、何で先輩まで顔真っ赤にしてるんですかぁ!!」


バタバタと走り去ってしまった。


あれから数日後。


「先輩! おはようございます!」

「もしよかったら今日私の家来ませんか?」

「...は!? い、いや、そんないかがわしい事なんか考えてないですって!」

「ほんと違うってば! いい加減からかうのやめてくださいよぉお」

「文化祭の飾り付け係、帰宅部の私達担当でしょ! その作業ですから!!」

「...今日放課後に校門で待ち合わせでいいですか...ってこら! 変顔しない!」

「変がお...ぶふ...やめ...ちょ、その顔反則! ギブ!」





「ん? 先輩どうしました? 私の家ここですよ?」

「...あ、女の子の部屋入るの恥ずかしいですか~? えへへ...先輩ったらウブですね~」

「え? 『どうセクハラしようか迷ってる』?」

「......~っ!!!!!」

「...冗談? ...いや冗談なのは分かってましたけど!? 完全分かってましたけど! 冗談でもレディーにそんな事言っちゃいけないんですー! 先輩バーカバーカ!」

「え、馬鹿って言われたから帰る...って、待て待て! 分かった、悪かったですって! 待ってぇ~この作業量1人で出来ないからぁ~」


自室のドアを開ける。

シンプルな可愛らしい部屋をしている。


「はいどうぞ。好きな所に座って...っていう前にベッドに腰かけるのやめてくれません? 座布団あるやろがい」

「先に座れ? はぁ...」


桜が座った場所の横に座る。


「先輩。女子の部屋で女子の横に座る奴が何処にいるんですか」

「謝謝、じゃない! 誰も許可などしてない! 正面行っとけ!」


ハサミで紙を切り、飾りを作る。


「...先輩」

「先輩ってば」

「えっ私の声聞こえないほど集中して...やはり先輩侮れないですね...」

「って、イヤホン...」


イヤホンを思いっきり引き抜かれる。


「せっかく2人横にいるのにイヤホンする奴がどこにいるんですか!!!」

「ここにいる、じゃない! 小学生みたいな言い訳しない!」

「ん...? 先輩耳掃除サボってます? 結構垢ありそうですけど...」


耳の中を覗かれる。


「ハッ、私ったらまじまじと先輩の耳を...すみません」

「って何顔赤くしてんですか変態」

「...はぁ!? 耳掃除して欲しい!? ますます変態じゃないですかこの変態!」

「分かりましたよ...弟にやってるからまぁまぁうまいですよ」

「でも、危ないから耳かき中はからかい無しですからね」


膝枕の体形になる。


「...くっ...結構顔が近い...ま、まぁ、大人なレディーにはこのくらい余裕ですし!」

「行きますよ?」


ザリザリ


「...先輩ってそろそろ誕生日でしたよね? 好きなケーキとかあるんです?」

「モンブランですか...近くに美味しいモンブランが売ってるお店あった気がしますね、先輩知ってます?」

「あっそうそう【ケーキショップ栗原】だ! もう行った事ありましたか」


ザリザリ


「...先輩口数少ないですね」

「...もしや...からかい以外のトークスキル皆無なんですか...?」

「はっ、だからクラスでいつも1人で...!?」

「...すみません、傷をえぐったつもりはないんです...」


コリコリ


「痛くないですかー?」

「痛いって言っても日頃の恨みから手を動かし続ける可能性はありますー」

「自業自得でしょうが」

「っていうか何で先輩は私ばっか構うんですか、学年も違うし、たった一度同じ係になって一緒に行動しただけでしょ?」

「でも先輩がずっとこっちをチラチラ見てたから声かけたんですよ私」


「...まぁ、嫌じゃないですけどね?」


「ささ、反対側の耳もしましょ。ほら早く」

「...ぐぬぅ...まだ半分、結構これ顔近くて先輩のモブ顔にも意識してしまうんですが」

「モブ顔でもやっぱり近いとこうなるんですねモブ顔でも」

「なんですか先輩うるさいですよ」

「イケメン? 先輩が? 寝ぼけてます?」

「...なーんて。私は先輩の顔結構好きですけどね」

「何か可愛らしいじゃないですか。ブサカワって言うのかな」

「あっすみません今のは本気で素で出てきました」

「仕方ないじゃないですか、先輩はお世辞にも美形じゃないですもん」

「...拗ねないでくださいよ」


カリカリ...


「まぁ、私は先輩の顔より何より、何だかんだで優しい性格が好きですよ」

「...ちょ、やめてくださいそんなに照れられるとこっちまで...!」

「~~~! あーはい! おしまい! 耳かきおしまいーー!」


桜は怒った様子で作業に戻ってしまった。

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