第48話 0048 第八話05 鳳儀亭だョ!全員集合
病が癒えた董卓は、朝廷に入り政務を行った。
呂布は
「裏庭の
貂蝉の言葉に呂布は戟を持って向かい、亭の欄干の傍で待つ。
暫くして、貂蝉が優雅に歩いてきた。まさに月宮仙子の如くである。
貂蝉は泣きながらに呂布に言う。
「私は
涙を流す貂蝉。
「今貴方様とお会い出来て、もう思い残すことは御座いませぬ。私の親指は…既にものごっついタコが出来てしまい、もはや過去には戻れませぬ。貴方の前で死ぬことが私の最後の願いです…っ!」
言い終わると貂蝉は手摺に手をかけ蓮池に向かって飛ぼうとするも、慌てて呂布に抱きかかえられる。
「オっ、オラはおめえの気持ちっ…、知ってたゾ!こうして話せなかったのが残念だァ!」
貂蝉が手を引っ張り呂布に告げる。
「今生では貴方様の妻にはなれませぬ。来世で…お願い致します…」
「今おめぇーを妻に出来ねえなら、オラは…英雄でもなんでもねぇっ!!」
「一日が一年の如く感じまする…貴方が私を救ってくれる事を願えますか…」
「オラは目を盗んでここまで来た…。アホの董卓に疑われるんで、すぐに去らなきゃならねえ…っ!」
貂蝉が呂布の袖を引く。
「彼の賊をそのように恐れては…私の身は日の元を歩けませぬ…」
「今は…何も出来ねえっ…!」
そう言って戟を手に、去ろうとする呂布。
「深き後宮でも貴方の勇名を聞き及んでおります。その英雄が…誰かに飼いならされてるとは…!」
貂蝉の目より涙が落ちる。
呂布は羞恥に満ちた顔で戟によりかかり、そして振り返り貂蝉を抱き寄せ、慰めの言葉をかける。
互い寄り添い離れ難き二人であった。
殿上の董卓が呂布が居ない事に気づく。
猜疑を抱き急ぎ献帝の元を辞し、相府に戻ればその前には繋がれた赤兎馬が。
「温侯が入られました」
門吏の言葉に董卓は急いで中に入り探すが見つからない。貂蝉を呼ぶが、彼女も姿を見せない。女中を問い詰めれば、
「貂蝉は後園の花を観ております」
董卓が急ぎ行くと、まさに呂布と貂蝉が鳳儀亭の下で話す姿が。
「かあああっ!なんたることですかああああっ!」
(ぷ~→ぷ~↑♪)
(ちゃちゃちゃっちゃっちゃららっちゃっ♪)
大声で一喝する董卓。
董卓に気づいた呂布は驚き身を翻して走り出す。
(ちゃちゃちゃらっちゃらちゃっ♪)
駆け寄り戟を掴む董卓。
全速力で走る呂布に、太った董卓は追いつけずに戟を投げつける。
(ちゃちゃちゃ~ちゃちゃ~♪)
呂布は戟を打ち落とし、董卓は再び拾って投げようとするも、呂布は既に見えない。
董卓は急いで門を出て追うも、誰かとぶつかり倒れてしまった。
沖天怒氣高千丈、仆地肥軀做一堆。
果たして董卓がぶつかった相手とは。
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用語解説
※相府(しょうふ)
ここでの相府とは董卓の邸宅の意味。
※月宮仙子
月宮は月にあるとされた宮殿。その宮殿に住まう仙女の如く。
※箕帚(キシュウ)
ちりとりとほうき。誰かに仕える、妻妾になるの意。
※ものごっついタコ
貂蝉は指相撲の達人、という設定にしてしまったので、こういう表現
になってしまった。ちょっとだけ後悔してる。ちょっとだけ。
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