第31話 0031 第五話06 人中の呂布、馬中の赤兔
華雄敗北の報が
董卓は急ぎ
「華雄将軍を失った今、賊共は益々付け上がるゲヒ。盟主袁紹の叔父
李儒の提案を受けた董卓は、
そして董卓は先に袁隗の首を汜水関に送り、二十万の兵で二手に分かれて出陣する。 李傕と郭汜の五万は汜水関を専守するよう命じ、自身は李儒、呂布、
虎牢関は洛陽より五十里の距離にあり、董卓は到着すると呂布に三万の兵で関の前方に陣を張らせ、自身は関上に駐屯した。
これを知った密偵は急ぎ袁紹の元へと知らせる。
袁紹は諸将と軍議を開き、曹操が提案する。
「董卓は虎牢関に拠り待ち受けてます。こちらも兵を分け当たるべきでしょう」
袁紹は
八諸侯は各々兵を向かわせ、曹操も援護に向かう。
河内太守の王匡が最初に到着したところ、呂布の鉄騎三千が迎え撃つ。
王匡が馬列を並べ、門下を見れば出陣するは呂奉先。
頭上に戴くは三叉束髪紫金冠。
肩に挂けるは西川紅錦百花袍。
その身を包むは獣面吞頭連環鎧。
腰を繋ぐは勒甲玲瓏獅蛮帯。
腕には弓矢と方天画戟、座るは天に嘶く赤兎馬。
これまさに人中に呂布、馬中に赤兎あり!
王匡は後ろを向き尋ねる。
「誰か行かぬか?」
後方より一将が槍を持って進み出る。王匡が視れば、すなわち河内の名将
両馬は激突するも五合もせぬうち方悦は呂布に刺し殺され、そのまま向かって来る呂布に王匡軍は大敗四散する。
至る所へ突撃する呂布は無人の境を行くが如く、王匡は幸運にも救援に駆けつけた喬瑁と袁遺に助けられ、呂布は撤退した。
多くの人馬を失った王匡らは三十里退がった所で陣を張る。
残り五人の諸侯も到着し、呂布これまさに無敵の英雄であると皆が語る。
兩馬相交,無五合,被呂布一戟刺於馬下,挺戟直衝過來。
匡軍大敗,四散奔走。布東西衝殺,如入無人之境。
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用語解説
※三叉束髪紫金冠(サンサショクハツシキンカン)
軍帽の飾り。呂布の描写でよく描かれる触覚っぽい長~いアレ。
※西川紅錦百花袍(セイセンコウキンハッカホウ)
西川は四川(現在の四川省・重慶)地方。袍とは戦袍、陣羽織、マント。
※獣面吞頭連環鎧(★シュウベントントウレンカンカイ)
呑頭の字面からは馬超の兜のように思えるが、よくわからない鎧。呑
頭ってなんだろう。第三話の唐猊鎧甲と同じものかも定かでない。
もしわかる方いらっしゃったら教えて下さい。(人任せ
※勒甲玲瓏獅蛮帯(ロクコウレイロウシバンタイ)
これもちょっとよくわかんないなあ。言葉の意味はよくわからんが、
とにかく凄そうな帯、ベルトであるのだけはわかる。
※方天画戟(★ほうてんがげき・ホウテンカクケキ)
呂布の武器、
とは方天戟の一種。方天戟には月牙と呼ばれる横羽が二枚付いており、
一枚の物を単戟、呂布が持つ単戟を方天画戟と言う。創作物においては
二枚で描かれる事も多いが、まあ別に二枚でもいいんじゃないですかね。
私もよく間違えることあるし。と保険をかけておく。
※人中の呂布、馬中の赤兔
人においては呂布奉先という傑物が、馬においては赤兎という名馬が
いるものよ!という意味。
※方悦(ほうえつ)
もちろん架空の人物である。名前が出て数文字後に死亡する哀しき存在。
★今回から厳格な漢音読みはカタカナ、慣用読みはひらがなで記します。
ちなみに戟・撃・檄はケキと読むの、すげえ萎える。
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