転生人生

@ssaw

第1話

君は虫になったことはあるだろか、飛行機、無機物、有機物、含めすべての者に生が宿ると考えたことはあるだろうか?

あるものは言う

「人生は一回だけなのだから、大切に有意義に使わなければ」

そんなありきたりの説教を俺は真正面から否定ができる、俺はこの世の中において転生が可能なのだから



かくして俺は羽虫になった、一日俺は死ぬ気で鳴いた、その命が枯れるまでずっと鳴いた。なぜかってそれが蝉の本懐であり本望だったからであろう


そして1週間後に死んだ、平穏な日常だった。だってそうだろうただ泣いていただけなのだから当たり前だ


また俺は転生した、せめて次は人として生きたいものだ。それもすべて運に左右されるのだろう

転生結果から言おう外れだ

「Oh, my fucking God!」

人間だそれは喜ばしいただ、それは生き残れる目途がったったらのことだ。なんせ眼前は戦争、そしてなおも響き続ける銃撃と悲鳴と爆発音はっきり言おう

少年がいていい場所ではない、しかも民間人としてではなく兵士として

「何してる、もっと頭を下げろ!」

俺の横にいた人間が俺の頭を押さえ、姿勢を低くさせる。

少しずつ思い出してきたこの少年の記憶によると、この少年も兵士として、ここに駆り出されたらしい、同郷の幼馴染だ

「いいか、アランいまからここを一気に抜ける。もうこの戦争は負けだ。こんな事したって政府の鎮圧軍には勝てっこねぇ」

どうやら幼くして頭だけは回るらしい

「いいかあっちの方から銃声がやんだどっちか決着がついたってことだ、見方が勝ったことにかけて走る、こっちの手持ちは手榴弾、とハンドガンが一丁。そっちは?」

「もうなんもないな、生憎。これじゃ厳しそうだな」

俺は嘘をついてる、武器の場所も知ってるし安全に抜けれる経路すら知っている

「分かったならアランお前に拳銃を渡すお前なら後ろを任せれる」

無言でその拳銃を受け取りセーフティーロックを外す

しばらく匍匐前進で進みついには戦線の端までこれた、あとは絶対に敵が見ているであろう大通りを抜けるだけだ

「アラン、ここを抜けたら最後あとは走るだけだ、俺が合図を送る手榴弾を投げて敵を一瞬そっちに意識をそらすそのタイミングで走るぞ」

そう言って彼は胸に手を当て手榴弾のピンを抜き投げる

その手がかすかにふるえていたのを俺は見逃さなかった

だから俺の不審さに気が付けなかった

「分かった、合図は俺が出す。いいな3,2,1」

どこかで俺たちのグレネードが爆発して音が聞こえた

俺は静かに拳銃を構えて安定させる

彼がそれに乗って颯爽と走り出す

引き金に手を当てて静かに彼の足を狙い撃つ

「な、何故だ。何故だアランたすけ...」

彼は言い切る前に敵の乱射によって道の中央で肉塊となってしまった

不甲斐ない顔を味方にさらして

「安らかに、コービー」

俺は奴の好物であった花を、そこら辺の雑草から引き抜き、敵に見つからないように体が霧散した場所に投げつける。誰かを殺したというのに自分は偉く冷静だった。これは転生して間もないから鈍いだけだと信じたい。なんせ前世はセミなのであるから


別に俺がサイコパスだから殺したとかではない、これがこの少年の一番したい事だったから殺したに過ぎない

彼曰く目には目を歯には歯をらしい

コービー、お前が少年共を戦争に先導したのに最後まで付き合わなかった罰だ

甘んじて受け入れろ

「まぁ、もう死んじまってるが、楽しかったみたいだぜアランもまぁまぁ」



話は変わるが俺は転生したらいくつかのルールに従っている、そのうちの一つが宿主が最後にやり残した、またはやりたかった事を代行する。俺はこれをしてから初めて自分のために生きると決めている

それは俺がそいつらの命を不当にも奪ってしまっている故に、せめてもの罪滅ぼしだ。それに俺は嫌いなのだ 幽霊が

ならばこそしょうがないのではないだろうか

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