迷宮核(ダンジョンコア)
それは、
何故その様な物が存在するのかというと、自然に存在する洞窟などを拠点として使用するために、コアを使い、
例えば、宝箱。あれは何も冒険者の為にわざわざ用意しているわけでは無い。
そうなると、探索者は只のこそ泥となってしまうのだが。今の所、俺に全
とは言うものの。
「うーむ、これは少しやり過ぎたか……」
俺は、先程笠井をぶっ飛ばして開いてしまった天井の穴を見て、呟いた。
「当たり前じゃん!うちらが変身しているところ10万人にも見られてさぁ。また“ギャル沢が~”みたいになったらどうしてくれんのぉ!?」
春沢は、配信を切り忘れの件でカンカンである。
とりま謝っとくか。
「それはすまん!……ではなくてだな、アレの事だ」
俺は天井にぽっかりと開いた穴を指さした。
「穴じゃん」
春沢はなんともギャルらしい感想を言う。
「穴だな。だが、
「それって、ヤバいくね!?」
「ああ、確かにヤバいな。……なので!魔装降臨!!」
俺はもう一度覚醒をして。暗黒騎士モードになる。どうやら、笠井との戦いで受けた鎧の損傷は回復しているようだった。
「ちょ……何する気!?」
「少し待っとれ。――とう!!!」
脚に力を溜めると、一気にそれを開放して跳躍する。
そのままロケットの様な勢いで、最上階である第九層まで軽く到達した。
「おお、行けたか」
俺は、東京タワー位の高さの距離を一回の跳躍で登り切ったのだ。
魔王パワー恐るべし。
最上階は遺跡型となっていて、中心部には
「しゅったっ」
着地音は自分で言ってみた。巻き上がる砂埃に、春沢はケホケホしている。
俺は、バレーボール位の大きさの丸い水晶玉の様な見た目のコアを起動し、コアからは、ホログラムディスプレイの様な立体映像が浮かび上がった。
「それって、
「だからしないって……」
俺は、タッチパネルの様に指を使って操作をしていく。
「……やはりか」
管理履歴を見て、そう一言だけ呟いた。
フロアマップで各階の状況を確認する。まだ中には20人程が残っているらしい。それを罠などの機能を駆使して、出来るだけ安全?に避難させる。
魔王ならば本来「ふはははは!愚かで
「よし、退避完了。俺たちもここを出るぞ」
「ちょ。待ってし、――
春沢が唱える。足元に魔術式が展開されて、光の柱が湧き上がると、俺たちの身体の傷が見る見るうちに消えていった。
人間の魔力を活性化させて一時的に治癒能力の爆増させる。
「おおう、悪いな」
「これも貸しだからね」
春沢は悪戯っぽく舌を出した。
「へいへい……」
目の前に
※※※
立川第二迷宮
「うわ、鱶野のジャージボロボロじゃん」
春沢は自分の姿と見比べていった。
「春沢がやったんだぞコレ」
「あれ、そうだっけ?(てへぺろ)」
「“そうだっけ”じゃないわい!」
今の俺は、ぱっくり空いたジャージの姿なのだ。
一方、春沢は制服型の
とにかくこのままだと目立つので、一旦、
事務所は駅の反対側なので、春沢とは立川駅で解散だ。
俺たちは、ひとまず立川駅を目指した。
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