第2話

主人公 優視点(小学4年生)


 あれ、俺どうしたんだっけ。


 「お兄ちゃん、お兄ちゃん、良かった・・・良かったよー」


妹は俺に泣きながら抱きつく。


 思い出した。確か自転車に轢かれて、


 「優、良かったわ。本当に」


「お母さん」


ーーーーーーーーーーー


 それから、病院の生活が始まった。


 妹や、友達や家族が頻繁に来てくれて入院生活もいつもと違って楽しいと思った。


 そして、


 「優、話があるの」


「何、お母さん??」


「優を轢いた人が優に謝りたいって言うだけどね」


「うん」


「優がそうしたいなら、話しをすることが出来るわ。勿論、優が許したくないなら、そのまま優に合わせないで怒り続けることも良いのよ。私としても流石に優をこんなにして許せないし」


お母さん普段は全く怒らないけど、今日はすごく怒ってるのが分かる。ただ俺にじゃない。


 「俺はね、あれわざとじゃないから良いんだよね。」


「優、やっぱり優はそう思うよね」

お母さんは複雑な顔をしてる。


「でもね、妹を轢きそうだった。それは許さないかな」


「やっぱりどこまでも、妹思いなんだね」


「うん!!俺お兄ちゃんだから」


「優!!本当に妹を守ってくれてありがとうね!!」


お母さんは抱きしめてる。


 「それでね、友達がね」


「うん、うん」


お母さんと楽しく話をした。あれなんか忘れてるような??

ーーーーーーーーーー 


 そして、その日は病院のテレビでニュースを見た。


 それは虐待などの子どものニュースだ。


 全然面白くないからテレビを変えようと思った。

 けど、なんとなく目が離せなかった。

  

 そういえば、あの俺を轢いた人達どうなったんだろう?

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