蜘蛛のような男と蝶のような女(day23 静かな毒)

妻一筋のウブな男で遊ぼうと思った。


蝶のようにまとわりつく。


直に見る彼の体は彫刻のようだった。


盛り上がる筋肉が薄く汗ばむ。


「愛してる」


唇が落ち小麦色の肌に花が咲く。


これは静かな毒だ。


沸き起こる情欲が私の手足を絡め取る。


「まだ足りない」


射抜く目はぞっとするほど美しい。


囚われたのは私。

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