死神のキス(day20 甘くない)

死神としての最初の仕事だった。


病床の彼の魂を頂くこと。


死期を悟った彼は私が見えていた。


「好きな花は?」


何の役にも立たない会話。


「どうやって魂を取るの?」


口づけでと言えば「嬉しいかも」


不思議な人だ。


臨終の時彼は笑っていた。


私の目から水が流れる。


初めてのキスは甘くなく死の味を知った。

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