お下がりの愛(day14 お下がり)

豪華な食事に綺麗な服、きらびやかな装身具。


一ヶ月前の私は溝鼠のようだったのに。


「カナエが帰ってきて嬉しい」


見知らぬ老婆が見知らぬ名前を紡ぐ。


柔らかに細めた目に映るのは確かに私。


心に宿る幸せとひと掬いの影。


写真立てで一番目のカナエが微笑んでいる。


私に向けられる愛の全ては貴方の──。

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