興味本位で呼んでみた『眠れぬ夜の寝かしつけサービス』のお姉さんがタイプ過ぎるのだが…ッ!

圭琴子

第1話 『眠れぬ夜の寝かしつけサービス』

//SE 玄関のチャイムが鳴る音


「こんばんは。『眠れぬ夜の寝かしつけサービス』から参りました」//インターフォンに向かってに明るく


//SE 玄関ドアが開く音

//スーツの女性が入ってくる


「初めまして。失礼致します」//口調はやわらかいが、仕事モードで


//SE 玄関ドアが閉まる音


「この度はご指名ありがとうございます。早速ですが、シチュエーションは『ちょっとエッチな隣のお姉さん』でよろしかったでしょうか?」


「では、私のことは『お姉さん』とお呼びくださいね。お客様が呼ばれたいお名前などはございますか? ご本名じゃなくても結構ですよ」


「ダイヤ君、ですか。宝石みたいで素敵ですね」//微笑む


「では、お客様は初めてでいらっしゃるので、ご満足頂けるよう私がんばりますね!」


「……えっ?」//びっくり


「あ……いえ、そういう意味で言った訳ではないのですが……」//クスクス笑う


「そうなんですね。ダイヤ君、初めて……なんですね」


「うふふ、お姉さん、とってもやる気が出てきちゃった……」//少しセクシーに


「それでは、ダイヤさんの初めて、頂きますね」//左の耳元で囁く


//お姉さんはシチュエーションプレイに入る。男性が好みそうな、あざとく色っぽい表現


「はぁ、疲れちゃった。今日も暑かったわね~。上着……脱いでも良いかしら?」


//SE スーツの上着を脱ぐ衣擦れの音


「ダイヤ君、あたし今日、とっても寂しかったの。彼氏は居ないし。残業ひとりだったし。駅でイチャイチャしてるカップル見ちゃったし。かわいい野良ねこちゃんには逃げられちゃうし」//同情を誘う


「だから駄目元で、挨拶する度に気になってたダイヤ君と、お話出来ないかなぁって思ってたんだけど……部屋に入れてくれて、ありがと」//語尾にハートマークがつく感じで


「ビール買ってきたから、座って一緒に飲みましょ?」


//ふたりがけのソファに座る

//SE ビニール袋がガサガサいう音


「このソファ、小さくてかわいいわね。ん、もう……どうしたの? もっとくっつきましょ? お姉さんのこと、嫌い……?」


「嫌いじゃない? じゃあ……好き?」//少し面白がるような感じ


「うふふ。ダイヤ君、恥ずかしがり屋なのね」


「かわいい」//左の耳元で息声で


「緊張しなくて良いのよ? お姉さんが気持ちよ~くしてあげる。ほら、まずは乾杯しましょ」


//SE 缶のプルタブを開ける音、プシュー音


「かんぱ~い!」


//ゴクゴクと飲む音


「ぷはぁーっ。あ~、残業終わりのビールって最っ高」


「どうしたの? あ、ビール苦手だった? ごめんね、お酒強くないんだぁ。じゃあ、お姉さんがダイヤ君の分も飲んであげるね」


//ゴクリとひと飲みする音


「あ……これって、間接キス、ね。うふふ。真っ赤になって、ダイヤ君かわいい」


「はぁ……お酒飲んだら、火照ってきちゃった。ブラウスのボタン開けちゃお」


//SE ボタンを外す音

//SE 襟をつまんでパタパタあおぐ音


「はぁ~涼しい~」//セクシーに


「うふふ、目のやり場に困るダイヤくんもかわいい」


「かわいい顔をもっと見せて。ほっぺた、柔らか~い」//至近距離で


「お姉さんね、かわいい子が大好きなの。男の子でも、女の子でも」//至近距離で


「ダイヤ君、たべちゃいたい」//左の耳元で


「でも今日は初・め・てだから。優しく寝かしつけてあげる。寝室は何処? あ……そっち?」


//SE 寝室の引き戸を開ける音

//ふたり寝室に入る


「あら、とっても綺麗。え……あたしが来るから、片付けておいてくれたの? うふ、嬉しい」


「じゃあ、ベッドに横になって。ダイヤ君が眠るまで、お姉さんが、お腹ぽんぽんってしてあげる」


//SE 布団に入る音

//SE 静かにぽんぽんする音


「身体の力を抜いて。深呼吸してみて……(一緒に深く吸って、吐く)そう、とっても上手」//色っぽく誉める


「ダイヤ君も、お仕事で疲れてるでしょ? ゆっくり眠ってね」


「……ふぁ~あ……」//可愛らしく欠伸


「なんだか、お姉さんも眠くなってきちゃった。ちょっとだけ……一緒に、寝てもいい?」


//SE 布団に入る音

//横になって至近距離で話す。以降、右からだけ聞こえる


「はぁ~」//セクシーな溜め息


//SE 布団の中でごそごそと動く音


「添い寝なんてしたの、何年ぶりかしら……。ダイヤ君の肌、少しヒンヤリしてて、とっても気持ちいい」


「ダイヤ君はどう? 気持ちいい? んふ、そう。よかった」


//SE 布団の中でごそごそと動く音


「あ……んもう、何処触ってるのよ。そこは、女の子が嫌がるところ」//意味深に


「二の腕にお肉がつくの、女性は気にしてるんだから」


「うふふ、ダイヤ君の心臓の音、凄くドキドキしてる……。どうする?」


「もっとイイコト……する?」//息声で右の耳元で


「大丈夫、お姉さんに任せて。すぐに気持ちよくしてあげ……」


//SE 言葉を遮ってピピピ、というタイマー音

//SE すぐにピ、と止める音

//SE 布団から出る音

//離れて、距離が開く


「ありがとうございました」//仕事モードに戻る。柔らかい口調だが、色っぽさはなく


「失礼して上着、着用させて頂きますね」


//SE スーツの上着を着る衣擦れの音


「お客様は本日お試しコースですので、こちらまでとなります。もし気に入って頂きましたら、またのご指名をお待ちしております。ホームページにも記載してありますが、オプションなどもございますので、ご検討くださいね。こちらパンフレットになります」


「初回のみ簡単なアンケートにお答え頂いているのですが、よろしいでしょうか? ありがとうございます」


「弊社サービスは、どちらでお知りになりましたか? 投函チラシ、ですね」


//SE 書類に書き込む音


「オプションにご興味はございますか? ある、ですね。ありがとうございます」


//SE 書類に書き込む音


「最後に、オプションとして付け加えて欲しいものなど、なにかご希望はございますでしょうか。……え? 申し訳ございません、もう少し大きな声でお願い出来ますか? 『夜の運動』、ですね。大胆なご提案で、弊社としてもたすかります」


//SE 書類に書き込む音


「アンケートは以上になります。それでは改めまして、『眠れる夜の寝かしつけサービス』お試しコースのご利用、ありがとうございました」


「え……余計眠れなくなった? それはお客様の主観ですので、ご利用規約にもあります通り、クレームとしてはお受け出来かねます。もし、続きが気になりましたら」


「またご指名くださいね……んふっ」//少しセクシーに


//SE 玄関ドアの開く音


「それでは、失礼致します」//仕事モードで


「じゃあダイヤ君、また、ね」//ドアが閉まる直前、シチュエーションプレイの口調で色っぽく


//SE 玄関ドアの閉まる音

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る