第35話 「心辺りと日常」


 一通り話を聞くと椎名さんは深い、とても深いため息を吐く。

 そして椅子に背中を深く預ける。


「……ひとつ心当たりがあります」


「あるんですねやっぱり、だからと言ったんですよね、情報漏洩をしていないか聞いた時に」


 疑う人物はいるってことだよなあの言葉は。


「ええ、そうですね、一人思いつく人物はいました、私に対抗心を持っていて、なおかつ九頭竜の担当でもあるも職員が」


「へぇ」


「というか何ですか、男性を側室に、ってあほじゃないですか?……ただでさえ男性が少ないからハーレム制度をやっているというのにそりゃそう言う男性がいるというのは知っていますが、それを公に政府が認めるわけがないでしょうが!というかそんなのに、人の担当のハーレム制度参加者を誘うっていったいどうなっているんですか、連絡くらいすべきでは?まぁ許しませんが」


 おぉ、椎名さんの愚痴が止まらない、止まらない。


「……そう言う人がいるんですね?」


「ええ実際におります。ただこの件はあくまで私の私見であり予想です。……当初の予定通り調べさせていただいてもよろしいですか?」


「ええ、元からそのつもりです。よろしくお願いいたします。こちらからも護衛をつけるようにいたします」


「いえ、それは大丈夫です。彼らも俺に危害を加えることは無いでしょうから。……それよりも怖いのは姉さんの方です。いざとなったら姉さんを人質にしようとする可能性もあるので、お願いできますか? もし護衛をつけていただけるなら、3月末許嫁投票が終わるまでお願いできますか?ちょうどその日が返答の期限でもありますし」


「承知いたしました、手配いたします」


「はいよろしくお願いいたします」


「武田様、一つお伺いしてもよろしいですか?」


「はいどうぞ」


「九頭竜の提案、それについてどのように返答されるのでしょうか」


 みんなそれを聞いてくるよな。

  

「さぁどう答えるでしょうね」


「武田様」


「キョウ様」


 花咲凛さんから、注意の目線。

 これ以上、椎名さんを困らせてもしょうがないか今は。

 

 「俺に男の趣味はないですよ、女の子が大好きです。それは最初のお見合いの時からずっと言ってますよ?」


 「……そうでしたね、ではまたご報告に上がります。護衛については配置出来次第、お伝えしますね」


 椎名さんは足早に帰って言った。


 「さて、俺も行ってこようかな」


 「行くって、例の方のところに?」


 事前に話をしににいったから結果報告と思ったのかな?


 「いや普通に姉さんのところ。今回の件もあるし、そろそろ会いたいしね」


 その瞬間じとーっとした目で見られた。


 「もちろん用事があるからだよ?一石二鳥だぁ、なんて思ってないよ?」


 「……承知しました、私もご一緒しましょうか、キョウ様の護衛として。もちろんお姉さまとお話されているときは他の護衛と同様に、外にいますので」


 花咲凛さんも気をつかってくれているからか、そんなことを言ってくれる。 

 ……そういえば今まで花咲凛さんを姉さんのところに連れて行ったことは無かったなぁ。


 「そうだねーたまにはそれもいいかも、連れて行ったこともないしね」


 「え、ええ。ですから私は外で待っている、という話をさせていただいているのですがーー」


 「ーーなんですかその笑顔は。絶対外に待たせているつもりはないですよね、これ」


 「もちろん」


 「…………まぁご挨拶させていただくのはいいかもしれないですね.特に朝起きないこととか、苦手なものを目にすると口を付けずらくなることとか、それと……」


 「それと……」


 もうその時点で、嫌な予感しかしない。


 「性のご提供に多大なる貢献をしていただいている点、とか」


 「本当にやめてください!」


 そんなの公開処刑じゃん。

 思春期の男性が、親と性の話をするくらい嫌だよ、いや大事だとおもうけど、性教育とかは、さ。

 でもさそう言うのとは違ってなんかとても気まずいじゃん?


 なんだよ貢献できる、って。

 これ直訳したら、大量の精子を出していただいています、ってことじゃん。


 「……普通に行こう、お世話になっている人として、さ?」


 そうじゃないと、俺の精神が持たない。



 「……どうしましょうかね~」


 「分かった、頑張って朝はなるべく起きるようにするから」


 「別にキョウ様を起こすのは苦でもなんでもないので、大丈夫です」


 「なら苦手なものを目にしても、ちゃんと平等に食べる!」


 「そもそもキョウ様自分で仰っていたように嫌いなものなんてほとんどないじゃないですか……」


 ……それは確かに。


 「な、なら!もっと性の提供を頑張る、とか!」


 「それはまぁぜひ頑張ってください、最初しか私に勝ったことないですよ?」


 挑発するようなその顔が、絶妙に鼻につく。


 「……あー、そう言うこと言う?言っちゃうんだ、あー、そう、それじゃあ試してみる?……ん?」


 「いいんですか? お姉さまに会う前に、意気消チンすることになりますよ、心も体も」


 なんで微妙にかかってんだよ。

 ちょっとうまいじゃん。

 


 「そんな風に見下してられるのも、今のうちだよ!」


 「……まぁ頑張ってください?」


 「クッソ、じゃあ早速!」


 ベッドに行こうとして、待ったをかけられる。


 「なに、どしたの?」


 「まだお昼です、早すぎます」


 「え、ダメ?」


 「ダメです、明るいじゃないですか」


 「え、見えやすくていいのに」


 というか何なら見たいまであるよね。


 「はぁ、キョウ様そういうところですよ?」


 「え?」


 直前まで恥じらう様子を見せていた、花咲凛さんがあきれ顔になる。


 あれ?なんかしちゃいました?


 「……女心っていうものをキョウ様はまだあまり理解しておられないようですね、特にそういう行為の前の時に」


 おや、もしかして、今俺試されてた?


 「これはお姉さまにご報告ですね」


 「ちょちょまっ」


 「明日が楽しみです」


 花咲凛さんは掃除しなきゃ、とか言って部屋の外へ。 

 後にとり残されたのは俺一人。


 「まじですか……?」


 「言い忘れてました」


 一人がっくししていると、花咲凛さんが耳元までやってきて、一言。


 「元気出たみたいで良かったです、今日の夜もその調子で頑張ってください?……と、ね?」


 だからうまい事言わなくていいんだって。


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 お疲れ様です!

 今日が終われば三連休がんばっていきまっしょい!福袋もかみなさんは買われましたか?自分は初詣MEMちょしか買ってないです。……あ、ちなみにMEMちょは俺の推しです。多分推しの子よんだ人なら分かると思いますが、MEMちょがヒロインです。よろしくお願いします。異論はそんなに認めません笑


 新連載もやってます!お時間ある時に是非!

 下にURLとあらすじ貼っときますね〜!


「気づいたら大学のマドンナを染めた男になっていた件」


 https://kakuyomu.jp/works/16817330663207506037


「ねぇ、私の偽彼氏になってよ」


 そんなことをお隣のギャルに言われた、知らないベッドの上で。なんかしかもシーツで顔を隠してるし、

 え、ちゃんと責任取らなきゃ……

 ……ん?よく見たらこの人大学のマドンナじゃない?

 ……あれ?俺に偽彼女ができたのを知った幼馴染の様子が?

 ……別れたはずの元カノが大学に編入してきた?


 いつの間にか大学内で、マドンナを彼女にして、幼馴染を浮気相手に、元カノをセフレ、と大学中のヘイトを集めてるんですけど?


 俺の平穏な大学生活はいったいどこへ?






 

 

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