RAY OF LIGHT episode.ZERO

結城朔夜

1年~プロローグ~

これは、俊がまだ上条学園に在籍していた頃の話です。


俊が学園に入学した時から、既にカースト制度は敷かれていて、学園に多額の寄付金を払っている富裕者が優位に成り、その者達はみな、ジョーカーと呼ばれ、そのトップが男子生徒なら王様、女子生徒なら女王様と呼ばれ、崇められていた。

一方、俊達のような一般の生達は下民と呼ばれていた。


さらに、学園内の暗黙の了解として、廊下を歩く時は王様・女王様が優先的に通り、その後に取り巻きのジョーカー、普通のジョーカーと続き、下民は端の方で一礼し、邪魔をしてはいけない。

成績がいくら良くても、下民はジョーカーより上の役員になってはいけない。

つまり、学級委員等に立候補してはならない。

一般の下民でも、ジョーカーに直々に上納金を差し出せば、その者も普通のジョーカーになれる。

しかし、それにも条件があり、その後も継続的に支払わなければ、下民に戻される。


等といった、金と権力に支配されたものだった。


一般の生徒にはこの事は伏せられていて、入学と同時に知らされる為、外部入学組への学校案内は、表向きのものでしかなかった。

もちろん、俊もその一人で、入学後の学園生活が不安で仕方がなかった。

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