プロローグ➀「日常」
「……逃…げ…」
――この目の前の光景はなんだろう。
守ると約束した相手が目の前で死にそうな顔でこちらを見ている。
このままでは死んでしまう。
……―――許せない。
あいつさえいなければ…あいつさえいなければこんな事にはならなかったはずなんだ。
一人だけ何もできないまま、何も言えないままなんて嫌だ。
―――…だから…何としてでも殺してやる。
――20○☓年○月☓日――
「ふぁ〜あ…もう朝か。」
僕の名前は
今日はやけに眠い。2度寝したい。
だからといって今日も学校はあるし起きないといけない。
ピンポーン
「翼くーん!おはようございます!今日も起こしに来ましたよ〜!」
「あっ玲奈!おはよう!」
彼女の名前は
幼馴染で、幼い頃玲奈が引っ越す事になって疎遠になっていたが、たまたま同じ高校になってまた話すようになった。
「今日もわざわざ起こしに来てくれてありがとな。」
「いえいえ〜!私も翼くんと毎日話したいので!早く学校行きましょう!」
「うん。」
それで高校で再会してからは、起こしに来てくれるようになった。
お陰で毎日学校に行くのが楽しみだ。
「って…もうこんな時間か?!早く行かないと!!」
時計は7時50分をさしていた。
早く準備をして行かないと!!
……目覚まし時計…全然気付かなかった…
準備をして、猛ダッシュで学校に行く。
――学校到着――
ふぅ…どうにかギリギリ遅刻は免れた。
家が学校に少し近くて助かった。
「今日は珍しくギリギリだったな〜。………それにしても美月さんと一緒に学校に行くだなんて………羨ましい…」
「おはよう春人。」
彼の名前は
高校1年の時から同じクラスで仲良くさせてくれている。
「本当に羨ましいよな〜!……あの清楚で学園一の美少女で有名な美月さんと幼馴染な上に一緒に学校……くそぅ…」
「いやいや、春人だって幼稚園から小学中学高校同じの幼馴染がいるだろ。」
「…いやまぁいるけど〜…」
春人は玲奈に対して憧れを持っているらしい。
「ん〜?やぁやぁあたしの話〜?」
「彩葉、おはよう。春人が玲奈の話をしてたんだよ。」
彼女の名前は
春人の幼馴染で、幼稚園から小学中学高校同じらしい。
春人と同じく仲良くさせてもらっている。
「なるほどなるほど。本当に玲奈のこと好きだね〜チビ春人。」
「チビ言うな!!…それ言ったらお前なんて…お前なんて〜………お前成績良いし運動神経も良いしコミュニケーション能力も高いから煽る部分ねーんだよ!!」
「そりゃあね〜チビには負けないよあたし頭良いもーん」
春人と彩葉はよく喧嘩をしているが、多分仲良し。
「お前ら席につけ。授業を始めるぞ。」
授業が始まった。
友達と話すのは楽しいがやっぱり授業の時間は退屈だ。
と言っても単位はとりたいので頑張らなくては。
ー放課後ー
「やっと終わったー!あたし勉強嫌いなんだよねー!!」
「何で嫌いなのに毎回学年1位なんだお前は…俺は毎回学年2位だぞ!………くっそ絶対負けねえ……」
…やっと終わった。
やっぱり授業の時間は退屈だった。
「彩葉ちゃん春人くん!私は学年1位と2位なんてどっちも凄いと思いますよ〜!」
「あっ!美月さん!!そうですよね!俺も凄いですよね!」
「春人玲奈に褒められてめっちゃご満悦じゃーん!」
春人はプライドが高く、負けず嫌いなので彩葉に負けたくないらしい。
正直1位と2位なんて大差ない気がするが…
「じゃあ僕飲み物買ってくるよ。何か欲しい飲み物あるか?」
「あっ!あたしも一緒に行く〜!」
「俺はコーラな〜」
「じゃあ私はミルクティで〜!」
彩葉と一緒に飲み物を買いに行く事になった。
「…で、何で僕に付いて来たんだ?待ってれば良かっただろうに。」
「……あ〜…いやさ、最近春人元気ないんだよね〜…」
「…?いつも通りじゃないか?」
「いつも通りじゃないよ。一応幼馴染だし元気があるないは分かる。」
…彩葉は、いつも喧嘩しているように見えて、意外と春人の事をちゃんと見ているんだな。
「それで何でそれを僕に?玲奈でも良かったんじゃないか?あいつ玲奈の事好きだし。」
「あのね〜見れば分かるでしょ〜?玲奈に話したところで、あの春人が玲奈に相談する訳ないじゃーん!」
「あ〜…確かに。」
確かに春人は玲奈に気を遣っている様子があるし、確かに玲奈に相談するとは思えない。
「だから!もし万が一相談するとしたら男友達の翼くんか、幼馴染のあたしの可能性が高いって訳!」
「なるほど…つまり、もしも春人が僕に相談して来たら教えろみたいな感じか?」
「そう!!」
急に付いて来ると言い出したのでどうしたのかと思ったが、単に春人の事が心配で相談したかっただけらしい。
「…それで、飲み物はどうするんだ?僕は紅茶にするけど。」
「あたしはコーラかな〜春人と被るけど、飲みたかったものは仕方がなし!!…私もお金出すよ〜!」
4人分のジュースを買う。
「全員分買えたね〜!よしっ!早く戻ろっか〜!」
「うん、そうだな。」
2人も待たせているだろうし、早く戻ろう。
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