ユア・オウン・スウィートソウル
不凍港
ユア・オウン・スウィートソウル
踏みにじりゐし花屑ゆ
満たざるを歩み余してかく短くかく長きかもプラットホーム
はじめてに歩む道にも覚えある
つね胸の詰まる心地にうらぶれて受くる夜風は頰に冴えたり
雨の香は殊濃くふるふ打ちつ放しの胸うちと定めゐたりしが
ぢつとしてたこ焼を食む真顔にも微光とともに愛は生れたり
ひたぶるに恋ほしきものをそれだけの事を心は罪めきてをり
さきはひてあるべきゆゑに負ふべからずあなたはあなたより外の苦を
なかなかに癒え難かれど刻印を指になぞれりこの春の宵
夜闇より深き穴へと入ること絶え中指は明るさを得つ
からだとは影と思ひき降りやまぬ雨のやさしさ知るよりまへに
あをいあをいしじまのいろを保ちつつ瓶に大人しき悪心のかたち
全て雨の中にうごけるむらぎもの心の雷に析出さるる
悪意にも水明りせり抱きしめるごとものを思ひ眠れざる明け
春の雪あるひは秋の光など失せやすきもの数へて厭かず
汲むごとに思ひは尽きずひいやりとせる夏井にも影はささむか
夕つ水に水棄つるごと忘じたしあなたのふたたびみづとなるまで
片寄りゐて真水とはやさしかりしものつひに言葉を持たざる我に
用ひ得る魔法などなしなけれどもながめゐつあなたの横顔を
良夜なればあなた自身の甘やかな魂も仄明りするらむ
ユア・オウン・スウィートソウル 不凍港 @minato_futou
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