File.56 お兄ちゃん…(娘視点)

お兄ちゃん…今どこにいるのかな…この前は弁護士の人に止められちゃったけど…どうすれば良いのかな?私はお兄ちゃんの事をこんなにも愛しているのに…


昔から引っ込み気味だった私のことを外に出してくれたのもお兄ちゃんだし、スーパーで迷子になっちゃったりした時も迎えに来てくれたのはお兄ちゃん…


お父さんとお母さんが喧嘩して、家族の雰囲気が悪くなった時も側に居てくれたのはお兄ちゃん…でもそんなお兄ちゃんを私は傷つけてしまったんだ…


私はお兄ちゃんが兄妹だけど好きだ…今でもいろんな思い出が蘇ってくる…


昔、温泉に行った時に変な格好をしたおじいさんに絡まれたことがある…その時はお母さんが、お爺さんのことをホテルの人に引き渡したみたいだけど…


その後も何故か私のことをずっと追いかけてきた…最終的にはお兄ちゃんが連れてきた警察が逮捕してくれたみたいだけど…あの時は怖かった…


お兄ちゃんは他にも、小学生の時の運動会だったり色んな時に手伝ってくれた…お母さんが体調を悪くした時にご飯を作ってくれたりもしたなぁ…


お兄ちゃんとの思い出が次から次に溢れ出てくる…私はお兄ちゃんの事を傷つけてしまった…どうすれば私は許してもらえるのかな…


「あの弁護士邪魔だな…あの人が邪魔しなければお兄ちゃんと一緒に居られるのに…」


お兄ちゃんはあの弁護士と一緒にいるみたいだけど…あの弁護士は私よりも大事なの?私だって家族だったのに…確かにお兄ちゃんの事を傷つけてしまったことは申し訳ないと思っている…それに、お兄ちゃんのことしか考えられない…だってお兄ちゃんが居ないと私は…どうやって生きていけばいいの?


「お兄ちゃん…まだあそこに居るのかな?でもあそこだとあの弁護士が居るし…学校はどこだっけ?永明ってところか…じゃあ学校帰りにでも待ち伏せすればいいかな?お兄ちゃんだって私に会えなくて悲しんでるかも…」


お兄ちゃんが悲しんでいるかはともかく私は会いたい…お兄ちゃんに会いたい…昔からお兄ちゃんは格好良かったんだよね…


「待ち伏せするなら…ここが良いかな…それとも…」


私はしっかりと計画をねった…それこそ失敗をしないように…


「お兄ちゃん…私は寂しいよ…」


前回止めてくれた弁護士には悪いけど、我慢できない…あの弁護士ももしかしたら鬼ちゃんのことを陥れるかも知れない!!もしそうならお兄ちゃんを守らなきゃ!!


「あんな事を言ってしまったけど、本当に反省しているんだ…お兄ちゃん今からそっちに行くね…」


何度も繰り返すが、お兄ちゃんのことが大好きだし、それだからこそお兄ちゃんに謝りたい…あんな事を言ってしまった私のことを許してもう一度…




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投稿遅れてすみませんでした!!

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