File.31 優しい先輩達

俺は先生に校内を案内されていた…


「ここが作業室だね…いろんなことを此処でしているよ…中見ていく?」


「今は授業中なんじゃないですか?」


「確か今は3年生が授業中だったかな…皆優しいから大丈夫だと思うよ?」


「じゃあちょっとだけ…」


「わかったわ…すみません!!林先生はいらっしゃいますか?」


巴先生はそう言って作業室の中に入っていく…三年生の生徒は先生に向かって話しかけたり、扉に居る俺の方を向いたりしている…


「林っちはね〜準備室にいたはずだよ!!」


「ともちゃん先生〜そこにいる子は?」


「まさか先生の子供っすか?」


「私の子供なわけ無いでしょ!!転入生よ!!」


「三年生のっすか?」


「二年生の子よ…皆優しくしてあげてね?それと今は学校の案内をしているからあんまり長居できないからね〜仲良くしたいなら今のうちだよ?」


そう言って巴先生は作業準備室に入っていく…俺は三年生の注目を一身に受ける…


「名前なんて言うのか教えてくれないかい?」


「俺は菊池翔太って言います」


「俺高校野球のファンなんだけどさ…もしかしてあの菊池選手かい?」


「多分想像しているのであってますよ…」


「生であえるなんてなんて俺はついているんだ!!ライン交換してくれないかい?」


「まぁ良いですけど…」


俺は三年生の先輩のラインを1つゲットした…そしてその先輩がラインを交換したことで三年生の先輩たちが一気にこっちにやってきた…


「俺とも交換しようぜ?」


「私ともしましょ?」


「二年生だから俺らのこと頼ってくれて構わないからな?何かわからないことがあればラインで聞いてくれれば何でも応えてやるからな?」


「ありがとうございます…」


俺は久しぶりに人の温かみをしれた気がする…めちゃくちゃ安心するな…


「菊池くんのロック画面めちゃくちゃ可愛い犬じゃん!!なんて子なの?」


「…えっと…最近買い始めたばっかりであんまりわかんなくて…」


『わかんないなら俺に肉体のコントロールをよこせ!!俺が全部やってやるから!!』


会話に入ってくるな!!今黙ると非常に悲しいことになりそうだからせめて後にしてくれ…


「へぇ…犬種は?」


「確かジャーマンシェパードだったはずです…」


「私も犬飼ってるんだよ?この子!!」


そう言って俺に見せてくれたのは…


「トイプードルですか?」


「そうだよ〜私小さい子が好きなんだよね〜」


「ははは…」


先輩たちと仲良くなれた…というか先生はいつになったら来るんだろう…


「ともちゃん先生遅くね?」


「林っちに襲われてたりする?」


「林先生はああ見えても紳士だから大丈夫でしょ!!」


「いや…あれは変態紳士と言ったほうが良いんじゃないか?」


「どうして?」


「あの人この前フィギュア抱えながらこう言ってたんだぜ…『拙者がこの子を守るでござる!!ついでにこの学校の生徒達も皆守ってみせるでござる!!』って笑いながら言っててさ…流石に怖いと思ったよ…」


「でもあの人だてにそんなこと言わないよね…確か空手が4段で合気道もやってて、柔道も結構良い所までやってて剣道もやってるんだよね…なんかそう考えると銃じゃなきゃ勝てなさそうだよね?」


「たしかにな…」


そんな事を先輩たちが言っていると巴先生が出てきた…


「お前ら騒がしいぞ…全く…」


「すみません!!」


「菊池君大丈夫だった?」


「俺は大丈夫です…」


「わかったわ…次は食堂にでもいきましょう…まだ始まってはいないけど調理風景くらいは見れると思うわ」


「へぇ…じゃあよろしくお願いします…」


俺は食堂に巴先生と一緒に向かった…そんな感じで今日は学校紹介を一日中された…明日の体験入学に備えて多少は知識を持っておかないとな…


「明日は特段授業をする予定はないから安心してね?」


「大丈夫なんですか?授業を進めたほうが先生的にも楽なんじゃないですか?」


「そんなこと無いわ…取り敢えず明日また元気に来なさい!!」


「ありがとうございました!!」


俺の感覚的にはあの人はめちゃくちゃいい人だ…というかこの高校にいる人にほとんど悪意を感じなかった…むしろそこが怖いまであるな…


明日は零斗さんの娘さんが一緒に行ってくれるんだっけ?今日あってないから正直心配だな…もしかしたら俺のことあんまり好きじゃないかもしれないし…


というか俺も信頼できるとは限らない…そこが難しいところだな…と思っている…


「どうするべきか…また魁兄に相談してみようかな…」


俺は今日の学校での事を思い出しながら帰宅した…




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る