File.13 医者の見解

「…というわけであれ以降守護霊と言うか…スピリチュアル全般を信じるようになったんです。」


ようやく話が終わった…というかよくこんなに話せるな…30分くらいノンストップでずっと話すなんて思ってもいなかった…


「そうですか…」


「すみませんね…こんなに話しちゃって…お茶でものみますか?」


「大丈夫です…それよりも守護霊ではなく、人格の場合はどうなんですか?」


「前回は貴方も動揺していたみたいで正直私が何を話したなんて覚えていないでしょうし、今回改めて説明しますね?」


「よろしくお願いします…」


「まず彼がなっていると考えられるのは解離性同一性障害というものです。これは多重人格障害とも言い、と呼ばれた神経症で、子ども時代に適応能力を遥かに超えた激しい苦痛や体験…つまり虐待等による心的外傷(トラウマ)などによって一人の人間の中に全く別の人格(自我同一性)が複数存在するようになることをさします。そして今回の場合、その人格は彼であって彼ではないということになると思います…」


「つまり翔太のその黒い影はいて、トラウマを解決することができればその人格は消えるのでしょうか?」


「…発生の原因や進行過程など研究途上のため、治療法が確立していないのが現状です…申し訳有りません」


「…そうですか…」


沈黙が診察室を支配する…しかし看護師の方が話を切り出した…


「その黒い影との会話を聞いてみるのはいかがでしょうか?そうすればその人格が何を求めているのかも分かります」


「…どうなんでしょう…私はそいつが人格なのかはまだわかりませんが試す価値はあると思います…」


医者はしばし考えてこういった…


「我々から接触するのは極力控えたほうが良いでしょう…恐らくですが、他にも人格がいます…ですから下手に接触したら何をするかわかりません…最初の内にどんな人格がいるのか本人に把握させたほうが良いと思います。」


「分かりました…翔太の方にも言ってみます。」


「それとトラウマが原因でこうなったので極力トラウマの原因となったものには近づけないようにしてください。今回の場合は…そうですね…両親に会わせないことをてってしてください」


「もとから会わせる気はないのでそこは安心してください…俺は翔太がこれからは安心して過ごせるように工夫するので…ただ弁護士という都合上多少構えない時があるのでそこが心配です…」


「…友達の方で翔太くんを知っている方は?」


「…いないですね…それにこう言ってもなんですが、正直女性と話すのはつらいんです…」


「顔が真っ青ですね…大丈夫ですか?」


「私はまだなんとかなるので大丈夫です…一応幼馴染がいるので頼ってみようとは思います。」


「それならカバーストーリーでも用意したほうが良いんじゃないでしょうか?例えば、親戚の子を一時的に引き取ったんだけど、今はちょっと手を離せない仕事があって…みたいな感じで…」


「分かりました…一応幼馴染を頼ることも考えてみます。」


そういって診察室をでた…俺は車に乗り込み急いで自分の弁護士事務所へと戻った…


「行ってしまったな…」


「そうですね…大丈夫でしょうか?」


「大丈夫だろう…ただ問題は人格の性格だ…もし結構な人格をしていたら相当めんどくさいことになるし、何より彼の人生がめちゃくちゃになる…」


「院長のお子さんがそうでしたもんね…」


「そうだ…何より私は当人を見ていないから正確なことを言えないが、心は相当傷ついているだろうな…恐らくここでしっかりとその傷を治す努力をしなければ…」


「…」


「私の息子のようにをしてしまうかもな…私の息子の死に顔は苦悩に満ちた表情だったよ…最後に会話をしたのはいつだったかな…」


「院長…それ以上話さなくても大丈夫です…それにそろそろ仕事を始めなくてはいけませんね…」


「あぁ…そうだね…ちょっと休憩したら仕事を始めようか…」


願わくば私の息子のように自殺の道を選ばず、自分の中で目標を決めて、生きてほしい…そして後悔のないように生きてほしい…


「私の息子ではないが応援しているよ…会ったこともないけど…苦しんでいるのは分かる…その苦しみを理解してくれる周囲の人を頼るといい…」


私はそのまま診察の準備に入った…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

見てくれてありがとうございます!!


次からはそろそろ制裁に入っていこうかな…


週間ランキング3位以内を目標に頑張っていますので、星やフォローをしてくれると嬉しいです!!皆さんからの応援コメントも楽しみにしています!!


今回のようなケースはどんくらいの賠償が正当なんでしょうかね…こういうのに詳しい人教えてください!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る