File.6 心の支え

「ふぅ…やっと話が終わったか…こんなにめんどくさい事になるなんて…」


俺は悪いことをしていないから罪を認める事は絶対にないし、家族も俺を犯人にして慰謝料を受け取ってどこかに行ったあの女も俺のことを取り押さえたあの男も絶対に許さない…


「こんな学校にいる価値があるのか?やってもいないことをニュースを見て自分たちの考えだけで決めつける…そうして俺の事を退学させようとするんだ…退学しても別にいいか…」


俺が教室に戻り自習をするか、それともこのまま家に帰って一度両親と話をするのか…どうするべきか…


俺が考えていると魁兄の声がした…


「翔太!!大丈夫か?」


魁兄は俺の方に歩み寄って抱きしめてくれた…そう言えば魁兄は昔女性関係でトラブルになったことがあるらしく、そのせいか未だに幼馴染の女性以外とは仲良くなれていないらしい…


魁兄が弁護士を目指そうとしたきっかけは確か…そのトラブルが原因だったはずだけど…思い出せないな…


なんでこんな事を話しているのかというと魁兄は基本的に女性と会話したりすると、数分後に顔が青ざめてしまうのだ…もしかしてこの学校に来る中で女性と会話することがあったのだろうか…それなら申し訳ない…


「俺は大丈夫だけど…魁兄は…」


「俺は大丈夫だ…学校の用務員さんと話しただけだから問題はないさ…それにそんな長く話していないからいつもよりかはマシだよ…」


マシと言っても顔が青ざめすぎてまるで別人のようになっている…大丈夫かな…


「それと迎えに来てくれたの?ありがとう」


「俺が制服につけたのは超小型カメラと録音機だ…翔太を使って証拠集めをしてしまって申し訳ない…」


「それくらい大丈夫だよ…それで証拠は集まったの?」


「あぁ…これで証拠はバッチリだよ…もし訴訟を起こして色々とするなら正直学校だったら勝てるぞ?」


学校相手だったらあの発言だけで大丈夫なのか…証拠集めというかこういうのって怖いな…俺が悪いわけじゃないから良いんだけどさ…


「取り敢えず家に戻ろう?それと聞いてたから言えるんだけどさ…両親と話し合いをしなくちゃいけないんだろう?俺と俺の先輩に任せてくれないか?」


「先輩って?」


「俺の弁護士の先輩でめちゃくちゃこういう事件に強いんだぞ?翔太は両親にあって話し合いをしたいか?俺は翔太の意見を最大限に尊重する」


「俺は…一度しっかりと両親と話をしたい…俺は痴漢なんてしてないし、冤罪だってことをしっかりと伝えたいと思う」


「…わかった…だが先輩と俺も同行していいか?」


「うん…俺も一人で行くのはちょっと怖くてさ…両親と顔を合わせたらもしかしたら会話することが出来ないかもしれないし…」


「そこは安心してくれ…もし話すことが不可能になったら俺と先輩が代わりに言ってやるからさ」


そうして俺は魁兄が運転してきた車に乗り込んだ…しかし俺は車に乗って違和感を感じた…


「魁兄…これ何?」


「表紙にある通り犬だよ?翔太は犬って大丈夫かい?」


「うん…そういう系のアレルギーは確か持ってないから…でもペットって高いでしょ?」


「俺は金のことは気にしない…翔太の心の支えになる子が必要だと思ってな…この子達の中から一匹選んでくれないか?」


俺は渡された犬の紹介が書かれたノートのようなものを見る…数枚めくって直感的にこの子だと感じた…


「魁兄…俺さ…この子がいいかも」


俺が選んだのはジャーマン・シェパードという犬種で毛色は濃い黒だ…何となくだけど、この子が俺と暮らしてくれるならとても嬉しい気がする…


「ジャーマン・シェパード…俺は正直犬を飼ったことがないからわからないな…ちょっとまっててくれ…」


そうして魁兄はどこかに電話をかけた…電話の相手は犬に関して詳しいらしく、ジャーマンシェパードについて教えてくれた…


原産地はドイツで、警察犬としても有名な犬種らしい…さらに忠誠心が強く、どんな状態でも慌てない精神力と人間に対する協調性を持ち合わせている…


頭が良い分、警察犬として活躍をするにはトレーニングをしっかりされているからこそですので、一緒に暮らすと決めたからにはしっかりトレーニングが必要らしい…


「翔太…大丈夫そうか?」


「うん…この子だったら…」


「分かった…事務所についたから先に中にはいっておいてくれ…俺も自動車を入れたら中に入るから」


「わかった」


魁兄は俺の事をサポートをしてくれている…この期待に応えたいな…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

見てくれてありがとうございます!!


こういう物語を作るのは初めてなので手探り状態ですが、今後とも頑張っていく所存ですのでよろしくお願いします!!


今日も昼投稿します!!朝は昼投稿できないとか言って申し訳有りませんでした!!


犬って良いですよね…友達の犬をこの前見たんですけど癒やされると言うか…こういう状況に陥っても心の支えになる子がいれば耐えられるんですかね…


次回以降は家族視点+被害者視点って感じで行こうと思います!!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る