第542話 逸話 🏢
自然災害の被災と同様に、直接自分が経験したことではないので執筆を差し控えて来ましたが(直下型強地震の被災者として、ここは譲れません)思えばもうずいぶんむかしのことになりますので、旧弊の男性社会の一端を記録しておこうと思います。ネット社会のいまとは別次元の陰湿な策謀が罷り通っていたのですよね、あのころ。
午後八時半過ぎ、得意先の女性社長さんからわんわん泣きながらの電話をいただいたとき、業界が時代の波に抗せなかった証し、さらには明日はわが身とも受け留めました。でも、のちの情報によると、そこには卑劣極まりない陰謀がはたらいており、社長さんはまんまと罠にはめられたのです、信じていたスタッフの裏切りで。:->
大手卸業者の「倒産させて新会社発足」のシナリオが最初から出来上がっており、ひそかに懐柔された中堅男性スタッフが社内会議の一部始終をボイスレコーダーに記録して提出……。ある日とつぜん首都圏の本部に呼び出され、「無能な経営者」としての動かぬ証拠を突きつけられた女性社長さんの無念はいかほどだったでしょうか。
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※昨今の内外で頻出中の権謀術数にはネットの蔓がしつこく絡んでいるようですが、アナログが主流だった時代にも他者を陥れる企みが地下茎のような根を張りめぐらせていたのですね。いまから思えば、時代の節目を隠れ蓑に、全国各地で同様な乗っ取り工作(これと見こんだ企業をわがものにする)が行われていたのかもしれません。
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