第444話 げんかつぎ 🎡
ひと目見て忘れられなくなる俳句があります。たとえば「みんな夢雪割草が咲いたのね 三橋鷹女」がそれ。人生を夢にたとえる、ありふれた形容の甘さを浅春の小花の実景がみごとに反転させています。早逝した妹を詠んだ「をさなくて蛍袋のなかに栖む 野澤節子」には説明が不要ですよね~。いつかこんな句を詠めたらな~。:->
ところで、きわめて凡庸な感想ですが、齢が増すごとに、人の一生は幻だな~というさびしいような、甘酸っぱいような、呆れたような、惜しいような、いえ、いっそさっぱりしたような多彩な感懐が深まるような気がしています。こうしている間にも前へ進むことしか許されないわたしたちです、人も、動物も、生あるものはなべて。
運を天に任せるしかない他力本願的一生の支えに恃むもののひとつがゲン。大事な場面に向かう第一歩を左右どちらかの足から出すといった類のあれですが、そういえばと思って調べてみて漢字では「験担ぎ」と書くと知って新鮮でした。数字フェチのヨウコさんのゲンは三の数。放っておくと年中「一二三」とやっています。(^▽^;)
🎪🎠 🎪🎠 🎪🎠 🎪🎠
※週二回発信中の「連作俳句」のキャッチ&タグを本日分から「季節の二十句」とさせていただきます。昨夏、連作の意味がわからないままスタートし、じつはいまだに本質がわかっていない 状況に途惑っていたのですが、一四四回目にしてようやく胸を張れます(笑)。相変わらずの手探り状態ですが、少しずつでも進歩できればと。
※俳句の季節は、幾星霜にわたり数多の先達によって磨き抜かれて来た歳時記によります。同じ日本でも南と北の地方、あるいは同地域でも標高差により体感温度などには大差がありますので、春=二・三・四月、夏=五・六・七月、秋=八・九・十月、冬=十一・十二・一月で統一されており、季節の後もどりは✕の不文律があります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます