第426話 ひまわり畑 🌻 



 ねえ、〇〇ちゃん、うちへ来る前なにがあったの? どんな経験をして来たの? 

 保護犬猫の里親がどうしても知りたくて、ついに訊き出せない永遠の課題です。


 眼鏡の人物、長いものを手にした高齢男性、一見、無邪気そうに見える子ども。

 きわめて人懐こい性格なのに、ある特定の人間にだけひどく怯えるのは、なぜ?


 むかしのある朝、出勤前のヨウコさんは外のただならぬ気配に窓を開けました。

 小屋の横で犬が血を流しており、新聞配達員が自転車で立ち去るところでした。



      🐕🐈



 よく見ると、入道雲の一部がくずれて、うろこ雲になりかけている初秋の空。

 その奥の奥、空の底のようなところに、見渡す限りのひまわり畑があります。


 海からの風が吹いて来て、何万本、何億本のひまわりがいっせいにゆれます。

 そのまん丸い花はみんな犬と猫の顔で、あはははと楽しそうに笑っています。


 そう、ここにやって来た動物たちは、地上の運不運にかかわらずみんな幸せ。

 さわやかな海風に吹かれて、ほがらかに笑いさんざめいているのです。(*'▽')




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