第431話 Tさん 🏫
いやだ、すばらしく味のある演技をするから、うっかり💧しかけたじゃないの。大人になったんだね~、あのころはデビューし立ての青年だったけどいつの間に? 正直、ちゃらちゃらと騒がしいCMばかりが目について、少しがっかりしていたよ。かなり以前に観た映画も陰気で救いようのない悪役キャラだったからなおさらね。
かつて仕事でちらと袖を振り合った役者さんの端整な顔に刻まれた歳月のシワを拝見しながら、ヨウコさん、ひとりひそかに感懐を深めたようです。人気稼業につきものの浮沈も承知していましたが、大波小波を乗り越えて身に着けたと思われる人生の妙味……。そして、ミドル役者さんに流れたのと同じ歳月が自分にも流れたこと。
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思えば、あのころもいまも変わっていない自分がいます。小競り合いは好みませんが(笑)有無を言わせぬ大きな力には全力で抗し、いまよりずっと旧弊な男性社会からすれば、さぞ目障りな存在だったことでしょう(横暴なオヤジはいまも天敵です(笑))。きらわれ者扱いはいまに始まったことではないとあらためて気づきます。
一方で、あのころといまの自分には、大きく異なる点があるという事実にも……。当時は理解されないことが悲しくて、ときには絶望に発展したりしましたが、いまは気持ちがざわめきません。大方に理解されないのも自分、ごく少数にわかっていただけるのも自分、それでいいではないか、なんの不足やあるという静かな心持ちです。
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ところで、おねだり疑惑とかいう幼児っぽい名称を冠されている某県知事、それが事実としたら、人情の機微を知らない一点でトップの器にあらずと思います。贈答品があれば(公務員云々はさておいて)まず配下の職員の家族の顔を思い浮かべるのが上司でしょう。上の立場というだけで、すでに十分な恩恵を浴しているのですから。
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