第442話 オールバック 🦧
インバウンドという言葉が普及する前から、ヨウコさんの住むまちには外国からの来訪者が少なくありませんでした。多分に自称にせよ(笑)国際文化都市を標榜しているせいかもしれません。スポーツジムにもいろいろな国の会員がいたので、異文化との交流には慣れているつもりになり、そんな自分に驕っていたのかもしれません。
その事実に気づいたのは、ある朝のマックでの一件から。ひとり客が大半の静かな店内に国籍不明の精悍な顔立ちの男性ふたりが勢いよく飛びこんで来ました。窓際席に着きながら矢継ぎ早に繰り出されるけんか腰の会話。剥き出しの腕は太い丸太で、オールバックの黒髪は脂でギトギト、そして、ご両人の眼光あくまでも鋭いのです。
いまにも殴り合いに発展しそうなので、そっと出口への最短コースを目測(笑)。相手の語尾に自分の言葉をかぶせるヒートアップ状態を楽しんでいるかのような空気に気づいたころには、朝メニューのバーガーを食べ終えたおふたりさん、嵐のごとく立ち去りました。残されたたヨウコさん、いまのなんだったの~? 目をぱちくり。
🍟🍕 🍟🍕 🍟🍕 🍟🍕
※一般的な時間に寝起きされている方々には関係のない話かもしれませんが、まだ夜が明けやらぬ時間帯にいつもの『視点・論点』『国際報道2024』がもどって来てくれて、本当にうれしいです。あのひどい猛暑のなか夜っぴてわあわあきゃあきゃあされていた三週間がもっとつづいていたら、いまごろこうしていなかったかもです。
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