第343話 水羊羹 🥣 



 食べ物は美味しそうに詠めと教わっていますが、なかには例外もあるみたいで。


 ――かげ口は寂しきものや水羊羹   長谷川春草


 この春先、朝ドラのヒロインの「あの方がいらっしゃるところでお話しましょう」の台詞に拍手を贈りましたが、そこが人格の分かれ目、自分を貶めてはいけませんよね~。敬愛する女性先達にも、人の悪口、うわさ、子や孫のこと、受け売りの政談、気障な芸術論 etc. はおことわり、ひたすらな清談を希むという詩作品があります。



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 同じドラマでも、山田太一さんVSお茶の間人気の何某子さんでは純文学と週刊誌ほどの差があり、どちらを好むか視聴者の品格も問われることになろうかと。それにヨウコさんは、いつか加齢の重みに負けるかも知れない自身のため、矜持と戒めをもって付記しておきたいのです。他者のかげ口を言うほど自分は不幸ではないのだと。




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