第310話 短歌と俳句 🔊



 ある資料の「思考停止と陶酔の側面をもつ短歌が太平洋戦争の戦意高揚に寄与した事実は否めない」という記述に、ヨウコさんのなかでぽんと弾けたものがあります。


 呼吸の仕方を忘れかけた一時期、昼夜ない苦痛から意識をそらすための手段として短い表現法を模索し、短歌か俳句かさんざんに迷ったあげく、後者を選択しました。



      🐑



 自分の内部のどこまでも傾斜しがちな体質を危ぶむ動物的勘にうながされての決断でしたが、結果的によかった、自分にはこれしかなかったことを再認識しました。


 さらには、先駆的な近代女性歌人の「日本の短歌界は事実と生活を三十一文字に詠む日常詠が本筋と信じて疑わない時代が長すぎた」とのご指摘にも膝を打つ思いで。




          🐚🦙  🐚🦙  🐚🦙  🐚🦙  




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る