第292話 むかしの作家の冷徹ぶり 🎩
萩原葉子さんが『父・萩原朔太郎』を上梓したとき、草野新平、佐多稲子、西脇順三郎さんら当代作家連が居並ぶ出版記念会で、亡き父の親友だった室生犀星さんから「葉ちゃんがこれから作家として立ってゆくようになろうとなるまいと、自分の知ったことではない」と突き放したスピーチをされ、あまりの衝撃にトイレで号泣した。
そういう記述を拝読して、そういえば、あの方も……むかしの記憶がよみがえりました。詩人・作家・評論家・翻訳家として文壇に知られていた長老、女子大の教え子に自著の帯巻への短文を頼まれたまま何年も放っておき、ようやく書いたと思ったら推薦どころか相当な辛口批評だったので、本人をはじめ周囲がいたく困惑したこと。
親しい間柄でも、心にもないことは言えないし書けない。両者共通の古武士魂のようなものがあるような気もしますが、双方とも相手が年少女性だったことに因果関係のあるやなしや。ちなみに、かつてヨウコさんが後者の祝賀会に出席したとき、埴谷雄高さんら辛口友人連の上げたり下げたりのスピーチ、さすがでした~。(*^。^*)
🍽️🥝 🍽️🥝 🍽️🥝 🍽️🥝
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます