第262話 ハンディのない性に生まれた人に 📜
放送局を定年退職したら覇気がなくなって、極めて自堕落な日々を送っている。
時間つぶしに仕事時代に取材した著名人を訪ね、そのたび打ちのめされている。
焦って早期退職した同僚たちを遠隔地に訪ねたが、そこでも歓迎されなかった。
名刺がなくなったらだれも近寄って来ないこと。
仕事のつきあいは断じて友人ではなかったこと。
どうして分からないのかな、そんな簡単なこと。
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それに……だれも言ってくれないだろうけど、半分の報道しかして来なかったよ。
優位が保証された性に生まれた側にそうでない側の苦悩が分かってたまるもんか。
なのにすべてを分かったような顔をしてエラソウニ報じて来たの、滑稽だったよ。
ずっと下位扱いされて来た側からの忠告だけど、この際、一介の人間になりなよ。
飾りがなくなった丸裸の形状にこそ、その個体の真の価値が表われるんだからさ。
素直に認められるかどうかで後半生の可否が決まること、先例が示しているよね。
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