VOL.03

第201話 え、またしても強いられるの?! 😴 



 相手は世辞と受け留めたようですが、ヨウコさんにはまったくそんな気はなくて、第一、口だけの世辞など言ったことがない事実を理解していない様子がザンネンで。これだから褒められつけているひとは……なんともむなしい気持ちに駆られました。


 年齢的には若いのに、どういうものかデジタルを目の敵にしていて、周囲の少数の仲間とアナログを通している。それはいいとしても、自分の書いたものを世に普及させたいという気持ちは人一倍らしく、余裕のある財力にモノを言わせての自費出版。


 紀行や評論をまとめた一冊を送りつけられて、どれほど気が重かったか、通り一遍でない感想を書くまでどれほど頭痛の種になっていたか、そういうことにまったく気づいていない鈍感ぶりはやはり読まれて当然と思っているひとに特有のもので……。



      🐿️



 先天か後天か知らないけど、書きたくても書けないひとをよそに一応の文才っぽいものを与えられたんだから、ジャンルでその他に分類される低地に留まっていないでそろそろ本格的な小説を手がけたらいかが? いつまでもある人生じゃないんだし。


 そう勧めるヨウコさんの言葉をどう受け留めたのか、鼻の辺りを上気させた口からあり得ないレスポンスが返って来ました「それはそうと、いま書いているものが溜まったら、第二弾の出版を予定していますよ」ええっ、またですか~。((((oノ´3`)ノ


 ちなみに、ネットを紙より下と思いこんでいるひとたちの共通事項は、若い世代の才能&努力を認めようとしないこと。あの作家さんはこんなに優れていて、この作家さんはこんなアイディアで……熱弁するヨウコさんには憐みの目が注がれるのです。




   🧷🧷🧷🧷   🧷🧷🧷🧷   🧷🧷🧷🧷   🧷🧷🧷🧷 




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