第149話 贈り物はだれのため? 🎁
あのときは驚きのあまり椅子から飛びあがったよね十センチぐらい。まあ、それはモノのたとえだけどね。霜夜の長さを持て余したヨウコさんはうっそり笑いました。われながら、おお、怖っ!! ベリーショートだからいいようなものだけど、これで白髪のザンバラ髪だったら山姥そのものだよね~。セルフつっこみ連発です。(笑)
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仕事時代、盆暮れには地元のデパートから前回のお中元やお歳暮の名簿が送られて来るのがならわしでした。顧客や取引先の大半は企業なので、いつも同じ品でいいのですが、たまに個人が混じると大変です。分厚いカタログを繰りながらああでもないこうでもない。買い物下手な身には年二回のこの作業がけっこうなストレスでした。
ある夏の日、一本の電話がかかって来ました。有名文化人の夫人からというので、お中元が着いたお礼だろうと思って出ると「お宅、どういうセンスをしているの?」いきなりの叱声です。海産物をお送りしたのですが「家庭の冷凍庫に入らないとなぜ分からないの? 送られた方の迷惑も考えなさいよ!!」す、すみません。m(__)m
ひたすらお詫びしながら、やっぱりそうだったのかと苦く思いました、営業責任者が自分の好みで二個ずつの大きな西瓜を顧客に贈っていたけど、あれもやはり冷蔵庫に入らないと女性陣から不評だったにちがいない。知人の会社ではクリスマスイブに全社員に大きなデコレーションケーキを贈ったそうだが、あれだって家庭では……。
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採れすぎて自宅で消費しきれない夏野菜をカフェや美容院に押しつける常連さん、手づくりの小銭入れや折り紙細工など、不要だし、趣味に合わないので使うのも飾るのも躊躇われるものをメンバーに渡され、断れずに困っているジムのトレーナーetc.
つらつら思うに、贈り物は贈る方の自己満足と位置づけるのが、案外当たっているかもです。であってみれば、見返りを期待する下心(笑)は潔く放棄して、少しでもよろこんでいただければ「いえ、こちらこそありがとうございます」なのですよね。
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