第134話 やさしげな作品の作者が必ずしも…… 🥍
友人から贈られた本に目を通していて、ふいにむかしの場面がよみがえりました。
仕事の関係でゲストとして招かれた児童文学の例会が、いたたまれなかったこと。
旅館や民宿の大広間の上座に浴衣すがたの白髪や禿頭がずらりと十人ほど、胡坐をかいて並んでいます。なかには早くもアルコールの匂いを放つ方もいたりして……。
その前に若手の新人がひとりずつ神に捧げる贄のように引き出されて来るのです。
カ~ン!! 手ぐすね引いて待ちかまえていた浴衣連のだれかの一声で批評開始。
事前に提出されていた作品についていいとかわるいとか、いえ、わるいとかわるいとか(笑)の酷評がヒートアップして、ついには人格否定に……すごい光景でした。
🐑
あまりの言われように堪りかねて泣き出す新人もいたりして……明らかなイジメを黙って見ていなければならない身が申し訳なくて、一刻も早く終わって欲しかった。
その当時、日本の児童文学界のトップクラスに君臨していた会には入会希望者が多かったので自然にそういうことになったみたいですが、やがて立ち枯れてゆき……。
プロセスの道理とともに、ああ、そうだったのか~といまさらに分かるのは、後進指導と言いながら、じつは古手が自分の権威をたしかめる場だったのだということ。
さらには、新人を自分の支配下に入れようと派閥争いもちらちらしたりして……。
やさしげな文章&絵と作者の人柄が必ずしも一致しないこと、骨身に沁みました。
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