第103話 水引草 ⛰️

 


とある高原に ポタニカルアートの ちいさな美術館がありましてね 

駐車場からの小道の足もとに ひっそりと水引草が咲いていましてね


透き通った泉が もったいないくらい 滾々と 湧き出ていましてね

そんな 風景がそっくり絵になるような秋 ときどき 思い出します



      🎨



――水引草風がむすびてゆきにけり    後藤正年



この句を「わ、巧者!!」と思ったのは 紅白の細長い花穂が 縁起物の

水引に たとえられるからで その意味は 未開封の保証 魔よけ👻 

ひもで結ぶ=人と人を結びつけるの三つ 花言葉は「素のままの自分」



      👒



十月もまだまだ暑いと おどされていながら 数度まで冷えこんだ今朝

標高の高いあの場所では そろそろ 薄紅葉が始まっているでしょうね


いっそう紅色を濃くした 水引草 まぶたに描きながら ふと思います

解かれかけた人と人の縁の糸 再び結ばれることもあったりするのかな




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