第80話 スタンスのこと 🐬
発表された「第一回カクヨム短歌・俳句コンテスト」の最終選考にも残らなかったヨウコさんの胸を「♬ティララ~、ティラリララリ~」乾いた風が吹き抜けました。一所懸命にまわっていたつもりだったけど、じつはひとりだけ土俵の外にいたの?!(なんせ俳句連作部門の応募三一九編の十八編が自作だったのですからね~(笑))
提示された入選作&選評を拝読し、連作とはヨウコさんが考えていたようなひとつのテーマで二十句詠むことを指すのではないらしいと了解すると、いっそ清々しく、ああよかったが八割、やっぱり残念が二割という当初の気持ちを再認識しました。
なぜよかったかと言いますと、その直前に長編小説『六連星と黄水仙――本づくりの流儀』が「カクヨム文芸部公式本棚」に収録されるという思ってもみなかった位置を賜っていたからです。あまりに吉報が重なると仕返し(なにに? という話ですが(笑))されるのではないかという憶病心が、どうしてもついてまわりまして……。
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で、もう一度じっくり拝読してみて、自作が採られるはずがないこと、スタンスを変えない限りこれからもずっとそうでしょうねということを得心しました。いずれも捻りのある、句ごとにひとつのドラマがある句ばかり、ヨウコさんのようにシンプルで明るいだけの単純な句はひとつもありませんので、なんともかんともでして。💦
ただポジティブで美しいだけではお話にならず、どこか翳があり、ときには人生の暗い場面も詠まないと文芸にあらず、つまりは小説にも通底する要素がヨウコさんの連作には皆無で。それもそのはず、ひとつのテーマの二十句をごく短時間でつくり、それ以上の推敲の努力をしないのですから、当然、太刀打ちできるはずもなく……。
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ただ、ではこれから気持ちを入れ替えて「翳ありスタンス」をとれるかというと、これはまったくNOサンキュー、本質を変えてまでの作句が苦痛を招くことは必定、楽しむために詠んでいる俳句がきらいになりそうで、本末転倒が目に見えています。
それに先述の小説の例でも示されたように、粛々と自分のスタンスを貫いていればいつかはどなたかが見つけてくださる幸運にめぐり会えるやも知れません。それよりなにより、エンタメ主流のネット小説の照準に合わせる器用さを持ち合わせなかった不調法なペンの持ち主が、俳句だけ器用にニーズに合わせられるわけがありません。
奇しくも同日に郵送されて来た結社誌に主宰が採ってくださったのは連作中の三句「夏空に放たれし牛動かざる」「垂直に銀河の立てる地平線」「好日やさつと涼風吹き抜けて」であったこともまた、なにかの示唆と思われないでもなく(笑)テレビや新聞、あれやらこれやらこれやらあれやら考えさせられた一日でした。( ^^) _U~~
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今回に限ったことではなく、え、そういうところが狙いだったの? ということがたびたびだった実態をかえりみて、決意を新たにいたしました。こちらからニーズに合わせに行くのではなく、まことに僭越ではありますが先方からお越しいただこう、それまで何年でも何十年でも(さすがにゲームオーバーですよね~(笑))待つわ。
なので、いままでとまったく同じスタンスでこれからも。もちろん、折々の冒険、新しいものへのチャレンジを採り入れながらではありますが、核心の変更はなしで、あっけらかん、飄々淡々と自分流の創作を発信してまいります。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
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