この感情に名前をつけるなら

三郎

はじめに(前書き)

(本文は拙作「好きの形が変わっても」の前書きと同じものとなります。そちらをお読みいただいた方は読み飛ばしていただいて構いません)


 本作品はアロマンティックやアセクシャル取り扱った恋愛物となっております。

 人は誰しも人に恋をする。それが常識だと信じて疑わない人は多いですが、私はそうは思いません。アロマンティックやアセクシャルの方々の中には「貴方にもいつかは分かる日が来る」と言われ疲弊している方々も多いと思います。ですから、先に言わせてください。本作は決して「今はアロマンティックだとしても、貴方もいつかは運命の人に出会えるから安心してね」というメッセージを込めた作品ではありません。アロマンティックやアセクシャルを否定する意図はありません。また、差別的な表現がありますが、差別を肯定する意図もありません。

 セクシャリティというものは流動的なものです。本作品は、その流動性をテーマに描いています。「流動的なものだから変わることもある」と「流動的なものだから変わることが出来る」は似ているようで違います。私の主張は前者です。変わることを肯定することは、変わらないことを肯定することと同義でありません。どうかご理解の程をよろしくお願いします。

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