閑話






ある街で、大事件が起こった。


冒険者大国と言われている西の大陸にあるツーリスト国にあるダージル街。


冒険者が多く、武器や防具のお店が多くある。

この街には、二人のドワーフ兄弟が経営している武具の店がある。

冒険者は、必ずここで武器や防具を買うのだが……。



「何でお店がなくなってるんだ!」


「ドワーフ兄弟は何処に行っちまったんだよ!!」


「俺なんて、やっと金が貯まったからミスリルの鎧を買うつもりだったのにー!」


「突然、何でお店を辞めちまったんだよー。」


と、いろいろな冒険者が騒ぎだした。


だが、それとは真逆に喜ぶ人達もいた。


「よし!あのドワーフ兄弟が店を辞めた!これで客が来る!」


「ドワーフ兄弟がいなくなったー!!」


「ううぅー。涙が止まらねえー!」



ドワーフ兄弟に客を取られて客足が伸びなかった街の店の人達が歓喜の声を挙げていた。



この街には、他にもお酒が有名だ。


飲食店に扱っているお酒は、ロイとテイが作る酒がダントツに多く売られているのだ。


「おーい!酒が不味いぞ!」


「いつもの酒をだせー!!」


「そうだーそうだー!」


「お客さん……いつものお酒を扱ってる職人が突然居なくなっちゃってお酒がないんですよ~。」





「あの、酒の匠のドワーフ兄弟がいなくなったらうちの酒が売れるんじゃないか!!」


「お前の酒が売れるんだったら、俺の酒の方が売れるっつうの!」



と、街ではドワーフ兄弟達が忽然といなくなり、大騒ぎになったのだった。



商業ギルド


「何故、ドワーフ兄弟の消息が掴めないのだ!」


「どれだけの損失だと思っている!」


「ですが!突然いなくなってしまったので……」


「新たな報告です!」


「ドワーフ兄弟が死の森に向かったという情報が入りました!」


「「「「なんだとー!!」」」」


「それは、確かな情報なのか?」


「間違いありません!」


「………帰ってこないのは…魔獣にやられたって事か……。」


「………たぶん。」









その頃、ドワーフ兄弟は


「なぁ、本当にここに迎えがくるのか?」


「ここで待ち合わせだ。おっ?来たみたいだな。お前ら、ビビるぞ。……くくく。」


「「お前たち何だよ!」」


〈ワオーーーーン〉


「待たせてすまん!」


「「えっ!?」」


「あれ?ロイ、後ろにいる二人は?もしかして?」


「ジークさん、ブーキとボーグっていうんだ。」


赤い髪がブーキさん。


青い髪がボーグさん。


「二人がいるって事は……一緒に住むんですか?」


「「よろしくお願いします!」」



「こっちこそ!ブーキとボーグって聞いたことがあるんだけど……まさか、あの有名な職人の……?」


「有名かどうかわからないが、たぶんそうだと思うな。」


マジか!憧れの武具職人に会えた!


でも、いいのだろう?今頃、街では大騒ぎなんじゃ。




ジークは知らなかったが、ジークが引退したことにより、冒険者ギルドではジークを復帰させる為にジークを探すという依頼が多くあることを……。



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