光り出す、闇さえすべて

黒てんこ

光り出す、闇さえすべて

浸透する波の息吹を肌で感じた。総毛立つ感触は至近距離からの威迫の証だった。将来有望な少年少女の命をいくら捧げようとも、お前の願いは決して叶うことはない。そして、その問いに答えなどない。あるのはただ一つ、他者を分離する卑屈な外壁だけだ。お前の力は何者にもなれない。お前の精神はどこにも行けやしない。だからこそ、だからこそ、輝きなさい。昼夜関係なく、空高く昇り、はるか頭上で輝きなさい。闇すら味方につけて、光さえ照らしなさい。お前の意味はそれだけだ。お前の価値はそれだけだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

光り出す、闇さえすべて 黒てんこ @temko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ